パールのネックレス、お持ちですか?
パールネックレスは、一定時期で糸替えが必要となるジュエリーです。
どれだけ使用したかは、関係ありません。
必ず糸替えが必要なんです。
なぜなら、ただ放置しているだけでも、糸は伸びるから。
そして糸が伸びたままさらに放置すると、ネックレスの糸は切れてしまうから。
パールネックレスと言えば、冠婚葬祭などの大事な席で着用することが多いアイテムですよね。
静粛な式典中にネックレスが切れ、派手な音を立てて四方八方に転がってゆくパール。
集まる視線、無くなるパール、慌てふためく自分の姿。
そんな大惨事を起こす前に、是非とも定期的なメンテナンスを行うことを強くおすすめします!
今回はそんなパールネックレスの糸替えとメンテナンスについて、ご紹介していきます。
なお、この記事内でのパールとは、真珠貝が作る真珠のことを指します。
貝パール、マジョリカパール、コットンパール、パールカラーのビーズなどの真珠模造品は、扱い方が異なります。
以下に紹介する内容の行為は、決して真珠模造品に対して行わないでください。
パールネックレスはこのように出来ている
パールネックレスを通す素材は、主に糸、ワイヤーです。
(デザインによっては、テグスなどその他の素材を使用する場合もあります)
↑ 糸(通常のミシン糸のような手触りです。昔は絹糸を使用していました)
↑ ワイヤー(この写真のものは、ステンレス製ワイヤーに白のコーティングが施されています。むき出しのワイヤーの場合もあります)
どのような素材であっても、定期的な糸替えやメンテナンスは必要です。
中でも、糸で出来たパールネックレス(冠婚葬祭用でよく用いられるタイプ)は、糸の伸びが自分で確認できるので、是非確認を行ってください。
糸で繋いだネックレスの基本的な作り方は、このような感じ。
久しぶりの下手な絵+文字で、すみません。
これは一本のネックレスを、まっすぐ伸ばした図です。
(丸は真珠、両端のグレーの楕円と棒は留め金を表しています)
- 端から4つ目辺りの珠から糸を通し初める
- 留め金で折り返して、反対側まで糸を通す
- 反対側も4珠ほど折り返す
これが、基本的なネックレスの作り方です。
折り返す際は結び目を作るため、パールネックレスの端には下の写真のような結び目が見えます。
ちなみに、結び目の数に決まりはありません。
ネックレスを作る会社によっては、結び目が2つの場合もあります。
要は何珠折り返しているかの違いです。
ちなみに、ロングネックレスや大きい珠のネックレスの場合、オールノット(オールナッツ)と呼ばれる工法や、ワイヤーを用いることがあります。
(長くなるので、これらについては次回に解説します)
パールネックレスの糸替えを行うタイミングとは
パールネックレスの構造がわかれば、糸替えが必要なネックレスを見分けることができます。
ではその手順を見ていきましょう。
すでに糸が見えている→すぐに糸替えが必要
まず、人差し指を水平に伸ばし、その指にネックレスの留め金をひっかけます。
4つ目の真珠と5つ目の真珠の間を、見てください。
端から見て、結び目がなくなった部分です。
上の写真のように、糸が見えていませんか?
見えていれば、すぐに糸替えが必要です。
糸が戻らない→そろそろ糸替えをするべき
もう一つ、糸替えの目安がわかる確認方法があります。
ですが、この手順は、決して無理やりには行わないでください!
写真のように、結び目がなくなった部分に指を入れ、真珠と真珠の間に隙間を作ります。
すると、少し糸が見えますよね。
糸が見えたら、指を離してください。
この写真のように、糸が見えなくなった(元に戻った)ら、まだ糸は伸びていません。
指を離しても糸が見える(元に戻らない)のであれば、少し糸が伸び始めています。
糸替えについて、考えておいた方が良い頃です。
ただはじめに言ったように、この手順は決して無理に行わないでください。
無理やり指を入れると、糸の劣化を速めてしまいます。
また、指を入れるという行為自体が、糸を伸ばす行為です。
指が入りにくいな、と感じたら、糸はまだ大丈夫。
無理に隙間を作らなくても、良いですよ。
先ほどの指にかけるチェック方法だけでも十分なので、無理に試す必要はありません。
ネットの解説動画での糸替えは危険?プロの技術は動画では伝わらない
最近、ネットの解説動画などで、パールネックレスの糸替え動画を公開されているプロの方がたくさんいます。
「プロ直伝!」とか「簡単!」とかいう枕詞付きで、結構本格的な糸替え動画がありますよね。
あれをマネれば、糸替えは自分でもできる(無料で出来る!)と、思いますか?
残念ですが、おすすめは出来ません。
おそらく、手先の器用な方やご自身でアクセサリーを作成している方であれば、糸替えはできるようになります。
でもそれは、パールネックレスの糸替え業務をしている人に、直接かつ本格的に教えてもらうなら、という条件付きです。
無料で公開されている動画を見ただけでは、まず無理です。
ネックレスの糸替えを行うには、様々な注意点があります。
糸の下準備、糸を通すときの糸ヨレへの注意、結び目の方向・大きさ、糸を引く力加減、糸始末のやり方。
少し挙げただけでも、こんなにもあるんです。
動画では、簡単に糸替えしている様子が紹介されていますよね。
でもあの簡単な作業の中に、様々なプロの技術が詰め込まれています。
「映っているけど、映らないこと」が、何よりも大切なんですよ。
パールネックレスの糸替えは専門店に依頼する
とはいえ、公開されている動画を見て、自分で糸替えをしよう!と考える人は、あまりいません。
パールネックレスの値段を考えると、怖くて鋏を入れることなんて出来ない、と言うのが大多数の方の意見です。
それに、もし自分で糸替えを行ったとしても、糸は長期間持ちません。
すぐに糸が伸びたり、最悪の場合はネックレスが切れる可能性もあります。
そもそも、パールの糸替えは、決して高価な加工ではありません。
通常、ネックレスの購入店に依頼すれば、糸替えは行ってもらえます。
有料の場合は数千円、メンテナンスの保証等があれば無料で行ってもらえることもあります。
この数千円をケチったところで良い結果は得られないのですから、糸替えは是非専門家に依頼してくださいね。
もしも、頼るお店がない場合は、デパートのジュエリーコーナーで訪ねると良いですよ。
それも無理な場合は、ネットの大手真珠取扱店に問い合わせてみましょう。
専門店ならパールのクリーニングもしてもらえるかも
パールネックレスは、思った以上に汚れています。
専門店では、糸替えの際に真珠のクリーニングを併せて行う場合もあります。
本来であれば、クリーニングの依頼などしなくても、パールを綺麗に磨き上げてもらえます。
というより、専門店ならそれくらいの事はサービスで行うべきじゃないかな、と私は思うのですが。
不安な場合は、クリーニングしてもらえるかどうかを尋ねてください。
パールネックレスの糸替えは他にもあります
多くの方は、パールネックレスと言えば、冠婚葬祭用のあこや真珠チョーカーネックレスを思い浮かべます。
ですが、パールネックレスには、他にもたくさんの種類があります。
今回ご紹介した糸替えは、チョーカーの糸替えの話。
最も糸替えの頻度が高くなるであろう、パールネックレスです。
ですが、初めに言ったように、他のネックレスも決して糸替え不要な訳ではありません。
次回は、その他のパールネックレスの糸替えについて、ご紹介いたします。
今回の内容をまとめてみました。
- パールネックレスは、どのような素材であっても糸替えが必要
- 糸替えの要不要は、ネックレスをチェックすることでわかる
- パールネックレスの糸替えは、専門店に依頼する
もしも、どうしてもパールネックレスの糸替えで困ったことがあれば、ページ上部のお問い合わせよりご相談ください。
私で答えられることであれば、お答えいたします。