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【ジュエリー本No.29】「ルースコレクターズ・マニュアル」はルース沼への落ち方を教えてくれる指南書

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何かをコレクションしたり、沼にはまったことはありますか?

 

私は、準鉱物・宝石マニアです。「」です。

コレクターや沼の住民の方からすれば、コレクション品に費やしたお金も時間も足元にも及びません。

けれど、明らかに一般の人よりも手元に沢山の宝石を持っている。

マニアと名乗るのがおこがましいので、「準」と名乗っています。

 

今回は、そんな準鉱物・宝石マニアがおすすめする一冊。

 

 

この本は、宝石の解説書ではありません

ダイヤモンドがどういうものなのか、エメラルドはどんな性質があるのか、など宝石に関する情報はほとんど掲載されていません。

 

ただ、どのようにすれば宝石沼にはまれるのか

宝石沼に片足を入れた人が、もう一歩踏み込むにはどうすれば良いのか

更にはその底なし沼が、如何に居心地の良い世界であるのか。

初めから最後まで、どうすれば本物のマニアになれるかを解説した一冊

 

そう。

宝石沼の傍に近づいたあなたを、頭のてっぺんまで沼に沈めてしまう。

これは、そんな幸せな本です。

 

 

ルースとは何?宝石との違いは?

 

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タイトルの通り、こちらの本は宝石収集の中でも、「ルース」に的を絞った内容です。

では、ルースとは一体何なのか?

 

ルースは、英語では「loose」と書きます。「固定されていない/緩んでいる」という意味ですね。

日本語の場合は、「裸石」と書きます。「はだかいし」と読むのが一般的です。

 

英語できちんと書くのなら、「loose stone」

そのまま訳したら、「固定されていない石」という意味です。

 

で。

ジュエリーにとって「固定されていない(宝)石」というのは、つまりは「研磨した宝石」のことを指します。

 

原石や鉱物そのままの状態ではなく、人の手でカットが施されている宝石

ジュエリーになる前の宝石

それが、ルースです。

ちなみに真珠の場合も、まだジュエリーに加工されていない状態のものは、ルースと呼びます。

 

このルースの沼にハマった作者様。

そのお気持ち、よくわかります。

原石の自然が作り出す神秘の美しさも良いのですが、宝石はカットが施されることによってまた一段と美しく輝くんです。

 

カッター(研磨職人)の技術により生み出される、見事な煌めき。

時には、宝石の色味すら操るその技術は、正に職人技です。

 

そんなルースを見ていたら、つい集めたくなりますよね。

 

ルースコレクターの先輩が指南をしてくれます

 

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「宝石を楽しむ ルースコレクターズ・マニュアル」は、「ルースコレクターの先輩が、ルースの魅力にハマりかけている初心者を、教え導く」本です。

 

ルースの特徴、ルースの購入方法、選び方、コレクションの保管方法。

ルースコレクター同士の交流の仕方、海外遠征する方法(旅費や、実際の店舗までの道順も!)。

おそらくは、身近に同じ趣味を持つ人が居ないと教えてもらえない、そんな内容に溢れています。

 

もし、ルースを熱く語れる仲間があなたの身近にいないなら。

ルースに関する科学的知識ではなく、ルースコレクターとしての知識を得たいなら。

この本は、あなたをより深いルース沼へと導いてくれる、最高の指南書になりますよ。

 

私が知っているルースコレクター

 

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私の手元にも、多少はルースのコレクションがあります。

たまに出してきては眺めて楽しんだり、意味もなく鑑別したりしています。

屈折を測り、分光光度計を覗き、比重を計算。何の宝石なのか分かっていても、個人的には、とても楽しい時間です。

 

ですが私のコレクションは、どれも子供のお小遣いで購入できる程度のもの。

誰でも簡単に集められるので、コレクションという程のアイテムでもないかもしれません。

 

ところが、この業界にいると、もっと凄い沼の住人に出会うことがあります。

私が知っている中で一番「すごいな」と思えるコレクター。

私とは、あらゆる意味で全然桁が違います。

 

ルースコレクターの中でも、ここにハマったら大変だなと思うジャンル。

それは、ダイヤモンドコレクター。

 

私の知っているダイヤモンドのコレクターさん。集めるものは、当然ダイヤモンドです。

けれど、その人が集めるのは、品質・色・大きさなどの4Cに関わる部分を重視している訳ではありません。

 

その方が集めるのは、「特殊なダイヤモンド」。

特徴的なインクルージョンがあるダイヤモンド。変わった蛍光色を発するダイヤモンド。Ⅱ型ダイヤモンド。色ムラが強いダイヤモンド。カメレオンダイヤモンド。

一般の人が聞いても意味が分からない、特殊なダイヤモンドを集める人でした。

 

一般的な価値基準とは違うので、値段も一般的なモノとは異なると思いますが、それでもダイヤモンドはダイヤモンドです。

1つの値段は、決して安くはありません。だって、ダイヤモンドですから。

 

ダイヤモンド沼。

私もいつかハマりたいですが、流石に財布の許可が下りないでしょうね。

 

 

 

「宝石を楽しむ ルースコレクターズ・マニュアル

著者:なかがわ

出版社:創元社