ジュエリー本の紹介と言いながら、最近漫画の紹介が多い気がしますね。
今回ご紹介するのは、ジュエリーではなく鉱物に主眼を置いた漫画です。
「瑠璃の宝石」は普通の女の子が宝石沼・鉱物沼に落ちる話
「沼にハマる」とは、特定のジャンルにどっぷりと浸かりこんで、抜け出せなくなったことを言うそうです。
宝石沼なら、宝石に熱中し時間もお金も使いこんでしまうこと。
この漫画「瑠璃の宝石」は、今まさに鉱物の沼に落ちていく女の子の話です。
落ちていく、ということはつまり、鉱物について何も知らない子が、どっぷりとその世界にハマっていく過程を描いた漫画、ということです。
鉱物沼にハマりゆく主人公の、キラキラした目。
自分が興味あるものに対する、積極的な姿勢。
廃れた大人にはない、貪欲な行動力。
眩しい! そして、うらやましい!
漫画の主人公とはいえ、やっぱり若いって良いなぁ(笑)
どうせ沼に落ちるのなら若い方が良い
私は学生を終えてから、ジュエリーや宝石の沼にハマりました。
でも、どうしてもっともっと若い時に興味を持たなかったのか、と今になって後悔することがあります。
学生時代にハマっておけば、もっと長い時間いろんな勉強や経験が出来たはずなのに。
もちろん、楽しい学生時代だったし、今宝石沼にハマれていることは幸せなことだと思います。
でも時々「どうせならこういう勉強を、若い時にもっとしたかったなぁ」と思うことがあります。
え? 今から始めればいい?
ダメなんですよ。大人になるとなんだか余計なものが色々が見えて、どっぷりと熱中できない。
そもそも、物覚えも悪くなりましたしね。
もしあなたが今、なんとなく興味を持っていることがあって、それが好きだと思えるなら、さっさと沼にハマるのも良いかもしれませんよ。
どうせハマるなら、早い方がお得です。
沼落ち、してみませんか?(笑)
「瑠璃の宝石」で取り扱う鉱物学とはロマンあふれる学問分野
宝石学、という学問があります。
これは宝石や貴金属の鑑定等に必要な、科学的な事象を学ぶ学問です。
その中でも重要な分野の一つが、鉱物学。
つまり鉱物について学ぶ学問ですね。物理学とか化学とか、結晶学とか博物学とか、とにかく鉱物に関するあれやこれやを学ぶのです。
サファイアの化学式だとか、エメラルドの結晶構造だとか、もう完全に理系の世界。これらの学問で学んだことを駆使して、鑑定士は宝石を鑑定します。
この鉱物学、学ぶほどに鉱物のスケールの大きさを知ることができます。
例えば、ダイヤモンドが地球の深部で生まれたのは、実に30億年以上前のこと。(最古のものは、45億年前とも言われているそうです)
そのダイヤモンドが火山活動によって地表に運ばれたのが、今から約数億年前の話。
ちなみに、恐竜が滅びたのは約6600万年前ですよね。
つまり、ダイヤモンドにしてみたら、恐竜なんてつい最近現れて去っていった生物にすぎない(笑)
あなたが今手にしているそのダイヤモンドも、恐竜よりもずっと年上なんですよ。
でも鉱物採集の世界はガテン系フィールドワーク
ところで。
ロマンあふれる鉱物採集の世界ですが、煌びやかなジュエリー世界とは少し毛色が異なる世界でもあります。
何時間もかけて山を登ったり、汗だくになりながら岩石をハンマーで砕いたり、川の中でびしょ濡れになりながらフルイをかける。
正に肉体勝負の世界。
実際に日本で採れる宝石が分かります
鉱物発掘などのフィールドワークをしたことがない私には、とても良い刺激の漫画でした。
「瑠璃の宝石」
著者:渋谷圭一郎
出版社:株式会社KADOKAWA(ハルタコミックス)