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【ジュエリー本No.7】普通の女の子が宝石発掘に挑戦!「瑠璃の宝石」

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ジュエリー本の紹介と言いながら、最近漫画の紹介が多い気がしますね。

今回ご紹介するのは、ジュエリーではなく鉱物に主眼を置いた漫画です。

 

 
渋谷圭一郎さん作・「瑠璃の宝石」です。
 
2020年10月15日に発行されたばかりの新しい漫画で、タイトルの通り瑠璃ちゃんという女の子が宝石を探すお話
ただ宝石は宝石でも、ジュエリーではありません。
 
「瑠璃の宝石」は宝石の原石に関するお話、つまりは地質学や鉱物学について語られている漫画なんです。
しかも、舞台は現代の日本。
 
馴染みある場所で、あまり馴染みのない鉱物発掘を行う。
かわいらしい女の子たちが、日本での鉱物発掘の様子を紹介してくれますよ。
 

「瑠璃の宝石」は普通の女の子が宝石沼・鉱物沼に落ちる話

 

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沼にハマる」とは、特定のジャンルにどっぷりと浸かりこんで、抜け出せなくなったことを言うそうです。

宝石沼なら、宝石に熱中し時間もお金も使いこんでしまうこと。

 

この漫画「瑠璃の宝石」は、今まさに鉱物の沼に落ちていく女の子の話です。

落ちていく、ということはつまり、鉱物について何も知らない子が、どっぷりとその世界にハマっていく過程を描いた漫画、ということです。

 

鉱物沼にハマりゆく主人公の、キラキラした目

自分が興味あるものに対する、積極的な姿勢

廃れた大人にはない、貪欲な行動力

 

眩しい! そして、うらやましい!

漫画の主人公とはいえ、やっぱり若いって良いなぁ(笑)

 

どうせ沼に落ちるのなら若い方が良い

 私は学生を終えてから、ジュエリーや宝石の沼にハマりました。

でも、どうしてもっともっと若い時に興味を持たなかったのか、と今になって後悔することがあります。

学生時代にハマっておけば、もっと長い時間いろんな勉強や経験が出来たはずなのに。

 

もちろん、楽しい学生時代だったし、今宝石沼にハマれていることは幸せなことだと思います。

でも時々「どうせならこういう勉強を、若い時にもっとしたかったなぁ」と思うことがあります。

 

え? 今から始めればいい?

ダメなんですよ。大人になるとなんだか余計なものが色々が見えて、どっぷりと熱中できない。

そもそも、物覚えも悪くなりましたしね。

 

もしあなたが今、なんとなく興味を持っていることがあって、それが好きだと思えるなら、さっさと沼にハマるのも良いかもしれませんよ。

どうせハマるなら、早い方がお得です。

沼落ち、してみませんか?(笑)

 

「瑠璃の宝石」で取り扱う鉱物学とはロマンあふれる学問分野

 

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宝石学、という学問があります。

これは宝石や貴金属の鑑定等に必要な、科学的な事象を学ぶ学問です。

 

その中でも重要な分野の一つが、鉱物学

つまり鉱物について学ぶ学問ですね。物理学とか化学とか、結晶学とか博物学とか、とにかく鉱物に関するあれやこれやを学ぶのです。

サファイアの化学式だとか、エメラルドの結晶構造だとか、もう完全に理系の世界。これらの学問で学んだことを駆使して、鑑定士は宝石を鑑定します。

 

この鉱物学、学ぶほどに鉱物のスケールの大きさを知ることができます

 

例えば、ダイヤモンドが地球の深部で生まれたのは、実に30億年以上前のこと。(最古のものは、45億年前とも言われているそうです)

そのダイヤモンドが火山活動によって地表に運ばれたのが、今から約数億年前の話。

 

ちなみに、恐竜が滅びたのは約6600万年前ですよね。

つまり、ダイヤモンドにしてみたら、恐竜なんてつい最近現れて去っていった生物にすぎない(笑)

あなたが今手にしているそのダイヤモンドも、恐竜よりもずっと年上なんですよ。

 

でも鉱物採集の世界はガテン系フィールドワーク

ところで。

ロマンあふれる鉱物採集の世界ですが、煌びやかなジュエリー世界とは少し毛色が異なる世界でもあります。

何時間もかけて山を登ったり、汗だくになりながら岩石をハンマーで砕いたり、川の中でびしょ濡れになりながらフルイをかける。

正に肉体勝負の世界

 
実際に「瑠璃の宝石」の中では、どういう場所にどんな宝石があるのかが紹介されており、主人公たちは汗や泥に汚れながらも、美しい鉱物を探し求めています。
「瑠璃の宝石」は、宝石のロマンに魅せられた普通女子×ガテン系宝石鉱物採集の物語なのです。
 

実際に日本で採れる宝石が分かります

 

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意外と知られていないことですが、日本では色々な宝石が採れます
水晶、ヒスイ、ガーネット、琥珀。
サファイアやアクアマリンだって、採掘できるんです。
数年前、日本列島では絶対に見つからないと思われていたダイヤモンドが採掘され、ニュースになっていましたよね。
 
こういった日本で採掘できる宝石は、そのほとんどがジュエリーにはなりません。
小さすぎたり、ジュエリーとしての品質が良くなかったり、採掘できても少量であったり。
(もちろん中には、ジュエリーになる日本産宝石もありますよ)
 
それでも日本では様々な鉱物が採集できる。
「瑠璃の宝石」は、多くの人が知らないこの事実を、実にわかりやすく紹介してくれています。
 

鉱物発掘などのフィールドワークをしたことがない私には、とても良い刺激の漫画でした。

 

 

 

 「瑠璃の宝石」

著者:渋谷圭一郎

出版社:株式会社KADOKAWA(ハルタコミックス)