ピアスは金属部分が少ないジュエリーの一つですよね。
でも、もちろんピアスにも刻印は打っています。
今回はピアスにまつわる刻印たちを、紹介していきます。
ピアスの刻印はポストにある
ピアスはポストという部分に、刻印が打刻されています。
ポストというのは、耳に通す棒の部分のことです。
ピアスのポスト。
ピアス穴に通せる程度の太さなので、当然、細いパーツです。
更に言うなら、平面がないパーツでもあります。
そんなポストに打刻するって、凄いですよね。
上の写真は、K18のピアスのポストを、ルーペで拡大した写真です。
小さいし目立たない、でもちゃんと刻印されています。
こちらは、Pt900のポスト。
上記2つのピアスは、どちらも私の個人所有のものです。
よく使用するピアスなので、ポストの擦り傷が多いですね。
このように、ピアスのポストは擦り傷や汚れが付きやすいパーツでもあります。
だから長年使っているピアスは、刻印が消えてしまうことも。
もう完全に刻印が読めなくなっていることも、少なくありません。
そのため、ピアスのポストは肉眼では見えにくい場合が多いです。
細工のあるピアスは広い面に刻印がある
この写真のように、ポスト以外の場所に打刻されていることもあります。
上の写真は、K18の刻印に加えて、日本のハイジュエラーである「TASAKI」(このピアスが作成された当時は、「田崎真珠」でした)のブランドマークが刻印されています。
このように金属細工があるピアスの場合は、肉眼でも簡単に読む刻印が打たれています。
ところがこのピアス、ポストにも「K18」と打刻されていました。
これはおそらく、ピアス本体とポストが別々に製造されたからだと推測できます。
「K18」で出来たピアス本体に、「K18」で出来たポストをくっつける。
写真のポストの付け根のところに、ロー付け(金属同士を接合すること)のような跡が見えます。
二つの部品が間違いなく「K18」で出来ている、その印としての刻印だったのかもしれませんね。
刻印の有無で、製造過程の一端が垣間見えました。
(まあジュエリー職人さんなら、刻印見なくてもそれがK18かどうか、分かると思いますが^^;)
シリコンキャッチの刻印は解読不能のことが多い
ピアスになくてはならない部品、それはキャッチです。
昔は(今も勿論ありますが)金属むき出しのキャッチが主流でしたが、現在では上の写真のような、シリコンに包まれたキャッチも多いですよね。
このシリコンキャッチにも、いくつか種類があります。
大きく分けると、金属の一部が見えているものと、金属が完全にシリコンに覆われているもの。
金属の一部が見えているタイプはこんな感じです。
下半分がシリコンに隠れていますが、「Pt900」の刻印が見えますね。
このように金属が一部見えているキャッチは、多くの場合刻印の半分が隠れているので、少し刻印がわかりにくいです。
でも、慣れれば簡単に読み取れます。
問題は、金属が完全にシリコンで覆われたタイプ。
はい、これが刻印です。
読めますか? う~~~~っすらですが、「900」の文字が見え………ませんか?
これは、「Pt900」と打刻されたシリコンキャッチ。
正直、ルーペで必死に読まないと見えません。
また、シリコンキャッチは時間が経つと、黄ばんで透明度が落ちます。
そうなってしまったら、もう絶対刻印は読めません。
特に同じ銀色の素材である「Pt」と「WG」、この区別はつかなくなります。
私のジュエリーケースにも、いくつか正体不明のシリコンキャッチが転がっています。
最近話題の落ちないキャッチ
最近ネットなどで、「落ちないピアスキャッチ」「落ちにくいピアスキャッチ」という触れ込みのキャッチがあります。
これらのキャッチは、一端ポストをキャッチに差し込むとストッパーがかかる仕組みとなっているものがほとんど。
こういったキャッチは、多くの場合、金やプラチナなどの金属では作成しません。
部品が高くつく上に、強度の面でも劣るからです。
そのため、内部に仕組みがあるキャッチの多くは、シルバーもしくはサージカルステンレスを使用します。
上の写真は、シルバーを使用した「落ちないピアスキャッチ」。
「SV 925」の刻印は、千分率換算で「925」のシルバーを使用したという意味です。
シルバーの純度は、またの機会に紹介したいと思います。