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【刻印の世界No.5】メッキ刻印を見分けるテクニック&造幣局のホールマーク

前回の続きです。

 

jewelry-foto.hatenablog.com

 

ジュエリーやアクセサリーを見るとき、誰もが一度は気にしたことがある疑問。

「これは本物の貴金属なのか、それともメッキなのか?」

この疑問を解決してくれるのが、刻印です。

 

刻印は、そのジュエリーやアクセサリーの素材が何であるかを記載したもの。

もちろんメッキかどうかも、刻印を見れば分かるようになっています。

  

今回は、そんなメッキに関する刻印の話と、メッキ刻印の一覧を紹介していきます。

 

また一番最後に造幣局のホールマークについても、まとめました。

ホールマークとは、造幣局が貴金属を検査し打刻する刻印の一種です。

前回紹介しきれなかったこの「日本国お墨付き」の刻印も、併せて掲載していきます。

 

これで貴金属に関する刻印は、一応全部網羅!

刻印の説明って、結構つかれますね。

 

 

メッキの刻印を見分ける際の心得

 

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打刻された刻印がメッキを表した刻印かどうかを見分ける際、最も重要で最も簡単な方法があります。

それは、以下の3つの刻印に余計な文字・数字が付いていたら、まずはメッキの可能性を疑う、ということ。

  • K〇〇(金の刻印)
  • Pt(Pm)〇〇(プラチナの刻印)
  • Sv/925(シルバーの刻印)

 

次の項から様々なメッキに関する刻印を紹介しますが、正直言うとメッキを表す刻印は数多くあります。めっちゃあります。

また、メッキ刻印は単独ではなく、メッキ材として使用した貴金属の純度を一緒に打刻します。

メッキ刻印と貴金属刻印の組み合わせを考えると、そのパターンは相当増える。

 

更に迷惑なことに、刻印でよく用いられるアルファベットの頭文字表記は、どれも非常に似通っています

例えば「PG」はピンクゴールドという意味ですが、「GP」になると金メッキという意味です。

 

数がたくさんあり、複雑な組み合わせがあり、似通った刻印が山のようにある。

こんなものをいくら覚えようとしても、混同するばかりですよね。

 

そこで私が提唱するのが、

金の「K〇〇」、プラチナの「Pt〇〇」、シルバーの「Sv」「925」以外に、何か一文字でも余計な文字数字が付いていたら、メッキや別の貴金属である可能性を疑う

という見方です。

 

そして「怪しい」と思う刻印を発見したら、次は専門家に尋ねる。

もしくは、ネットで検索するのも良いです。

このブログでもたくさんの刻印を掲載していますが、ネットには私がまだ知らない刻印を紹介しているサイトもあります。

 

専門家を頼れないなら、ネットという情報の海を利用して、あなたの刻印を解読する。

これが、メッキ刻印の一番簡単な見分け方です。

  

メッキ刻印一覧

 

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では早速メッキ刻印一覧を確認していきましょう。

 

金メッキに関係する刻印

刻印 意味
GP (Gold Plated) 金メッキ
GF (Gold Filled) 金張り
GS (Gole Shelled) 金張り
GR (Gold Rolled) 金張り
RGP (Rolled Gold Plated) 金張り
GE/GEP (Gold Electro Plated) 金の電気メッキ
HE/HGE (Hard Goled Electro Plated) 金の電気メッキ
GT (Bright Gold Plated/Gilt Gold Plated) 金箔張り
WGP (White Gold Plated) ホワイトゴールドメッキ
WGF (White Gold Filled) ホワイトゴールド張り
PGP (Pink Gold Plated) ピンクゴールドメッキ

ここに挙げたのは主な金メッキ刻印です。

 

金メッキの場合、これらメッキを表す刻印の前もしくは後ろに、メッキに使用した金の純度が打刻されます

K18GPとか、GF K18とか。

 

例えば、「K24GP」という刻印があれば、それは24金の金メッキであるという意味になります。

 

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ちなみにこの刻印が打刻されていたのは、こちらの方です↓

 

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我が家で放置されていた、七福神様です。(この人以外にも、ちゃんと7人揃っていますよ)

本物の金に似せてるのか、結構重たい。

 

このように、24金の金メッキ刻印は、ジュエリー以外にも、杯や置物のような小物類に見られることが多いです。

 

プラチナメッキに関係する刻印

刻印 意味
PP/PTP (Platinum Plated) プラチナメッキ
PTF (Platinum Filled) プラチナ張り

 ここに挙げたのは主なプラチナメッキ刻印です。

 

こちらも金メッキとそんなに違いはありません。

PTの後ろに「P」もしくは「F」が付きます。

たとえばPt850Fだと、Pt850のプラチナ張りです。

 

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このように、プラチナの純度が書いていない場合もあります。

 

プラチナ仕上げはプラチナメッキではない

 

最近ネット通販やフリマサイトなどで、「プラチナ仕上げ」「プラチナコーティング」といった名称のジュエリーやアクセサリーをよく見かけます。

 

この「プラチナ仕上げ」「プラチナコーティング」とは、プラチナメッキではなく、ロジウムという金属のメッキであることが多いようです。

 

ロジウムメッキは、プラチナ製品に施されるメッキの一種。

元の色が暗い銀色であるプラチナ製品は、多くの場合ロジウムメッキをかけて明るい銀色に仕上げています。

(つまり、プラチナ製品の多くはメッキされているんです!)

 

このプラチナに行われている仕上げ加工(ロジウムメッキ)を、プラチナ以外の金属に行うのがプラチナ仕上げ。

 もし「プラチナ仕上げ」の商品に刻印を入れるとすれば「PTP」ではなく、ロジウムメッキの刻印である「RHP」(Rhodium Plated)と表記するのが正しいですね。

 

ちなみにロジウムは、近年超~~~高騰している貴金属のひとつ。

田中貴金属さんの発表している産業相場情報によると、2021年4月の相場平均値は10万円を超えています。(参照:田中貴金属グループ産業事業グローバルサイト

 

奥様、聞きました!? 1gが、10万円を超えてるんですって!

(数年前までは、グラム単価が数千円での取引でした)

 

金相場が高騰してるといっても、たかが7000円台。金の高騰なんて、可愛いものですよね。

 

銀メッキに関係する刻印

 

刻印 意味
SP (Silver Plated) 銀メッキ
SILVER G (Silver Gilt) 銀メッキ
Sheffield Silver 銀メッキ
SILVER F (Silver Filled) 銀張り

 ここに挙げたのは主な銀メッキ刻印です。

 

銀もメッキに利用される貴金属です。

上記のような刻印があれば、何かの金属の表面に銀メッキされているという意味になります。

 

その他メッキに関する刻印とややこしい刻印たち

 

刻印 意味
1/10 ・ 1/20 メッキの厚み(1/10ミクロン等)
1M/3M/5M (Miquelon) メッキの厚み(1ミクロン等)

 

これらは、メッキの厚みを表す刻印です。

それぞれメッキが何ミクロンの厚みなのかを、表しています。

 例えば、「K18 1/10」「K18 3M」とか書かれています。

 

こういった刻印以外にも、ややこしい刻印というものが存在します。

それは、メーカーが独自に作り出した貴金属の刻印

 

合金は日々進化しており、中には商標をとり自社オリジナル金属として発表されるものもあります。

そのような特別な金属には、特別な刻印が打刻されます。

そんな珍しい刻印のジュエリーが市場に大量に出回ることは考えにくいですが、ごく稀に遭遇することもあります。

 

また、中には純度の低いプラチナ製品であるにもかかわらず、「Pt100」「P/S」などの紛らわしい刻印を打刻しているジュエリーもあるようです。

 

でも何より怖いのは、ルールに従わず本当のことを打刻していないジュエリーです。

残念ながら、一定数あります。

 

そのため貴金属刻印の最終的な判断は、あなたが信頼できると思う専門家にお願いすることが一番だと思います。

 

造幣局の貴金属刻印は向かうところ敵なし 

 

貴金属製品の品位区分と証明記号の画像

出典:独立行政法人 造幣局HPより

 

上記の表に書かれている刻印を見たことはありますか?

これらは造幣局が打刻する、「ホールマーク」という刻印です。

 

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ホールマークとは、造幣局(=国)が「間違いなくその純度の貴金属である」と検査し、その結果として打刻する刻印のことです。

つまりホールマークのある貴金属は、その純度は「日本国のお墨付き」ということですね。

 

でも、刻印なんて幾らでも偽造できるんじゃないの? 

そう思いますか?

ところが、ホールマークは偽造するメリットがありません。

 

国の証明を偽造するのは、当たり前ですがハイリスクなことです。

しかも、絵柄付の刻印を打刻するのは、決して安い仕事ではありません。

 

そもそも、貴金属純度を偽りたいなら、普通の刻印を打刻するだけで十分なんです。

だって、普通の刻印であっても、基本的に皆その刻印内容を信じていますから。

(もちろん、偽造は犯罪ですよ)

 

リスクを冒して、高いお金を使い、わざわざ偽のホールマークを作る意味はないでしょう?

だからこそ、ホールマークが打刻されているジュエリーは、通常疑いなく信じて良いんです。

一般の人は、ね。(専門家はホールマークであっても、一応心の片隅で偽物の可能性を疑うべきです。どんなことが起こるかわかりませんから)

 

ちなみに、ホールマークは海外の国でも、各国独自に定められています

色々な国が定めたホールマークを見つけるのも、刻印を楽しむ方法の一つですよ。

 

 

海外の刻印に関しては、こういった一覧が掲載されている書籍もあります。

 

「English Silver Hall Marks」は私も持っていますが、貴金属の刻印だけじゃなくてメーカーのマークまで、ものすごい数の刻印が載っています。

アンティークジュエリーが好きな方は、一冊持っておくと役立ちますよ。

 

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こんな感じです ↑

 

貴金属刻印は複雑で楽しいけれど全部覚えるのは無理

 

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前回と今回で、貴金属刻印を大体網羅してきました。

どうでしょうか、思ってたより複雑ですか? それとも覚えきれる量でした?

 

どちらにせよ、一般の人がこれら全ての刻印を完璧に把握するのは至難の業

そんな時にはまず「K〇〇」「Pt〇〇」「Sv/925」を探してください

そしてそれらの刻印の近辺や別の場所に、余計な文字や数字の刻印がないかを確認しましょう。

 

余計な文字や数字がない → おそらくは、貴金属です

余計な文字や数字がある → 専門家もしくはネットの情報を頼りましょう

 

勿論、最終判断は専門家に任せるべきですが、まずはこれだけを覚えておけば十分ですよ。

 

もしもあなたの手元に「この刻印は何?」というものがあれば、お気軽にお問い合わせください。

私のわかる範囲で、お調べすることも可能です。

(現物を見ないままでは、確実な答えが出ないかもしれませんが)