ダイヤモンドが美しく煌めく写真を撮影したい!
ということで、今回の写真はこんな感じに仕上がりました。
ダイヤモンドって、やっぱりキラキラと光ってほしいですよね。
今回は、ダイヤモンドを光らせることをメインに、試行錯誤しました。
そのため背景はいつもより質素…………というか、暗いです。
何故暗いのか、という理由も今回のポイントの一つ。
いつもとは違う環境での撮影を、ご紹介いたします。
使用した道具は、四つ切白画用紙、ペンライト
今回使用したものは、これだけです。
卓上鏡も、卓上ライトも使っていません。
白い画用紙を背景に、ペンライトの明かり一つでの撮影です。
画用紙の後ろを反らせて壁に固定したのは、背景にするからという理由もありますが、もう一つ大きな理由があります。
それは、デスクと壁の隙間を埋めるため。
一年ほど前、このような記事を書きました。
今回の撮影に使ったデスクは、壁に固定されている動かせないタイプの家具。
ところが白い壁とデスクの隙間には、数ミリの隙間がある。
万が一、ダイヤモンドが転がってしまえば、恐怖体験では済みません。
だって今回撮影に使用するダイヤモンド、0.7ctを超えている「Dカラー / VVS1 / 3HC / HC」(かなりハイランクなダイヤモンドです)
「壁の隙間に落としちゃった☆えへっ(^^;)」で済むルースじゃありませんね。
しかも今回は撮影環境がとっても特殊。
普段とは異なる環境のせいで、手元が狂った!なんてことがないように、特に注意して撮影に挑みました。
撮影場所は窓も雨戸も全部閉め切った完全な暗闇の中
今回の撮影で一番重要な点、それは撮影場所を暗闇にすることです。
月明りだけの夜とか、窓の少ない薄暗い部屋とか、そんな中途半端な暗さじゃないです。
暗室、と言えるほど真っ暗な環境で撮影しました。
深夜に部屋周囲の雨戸を全部閉め、窓も全部カーテンを閉めて、できる限り真っ暗にしています。
目が慣れても、ほとんど何も見えません。
まさに暗室。
手元どころか、目を閉じているのか開けているのかも、分からない。ペンライトが付いていないと、自分の手も見えませんでした。
このままでは真っ暗すぎて危ないので、手の届く範囲に卓上照明を置いておくことをおすすめします。
ダイヤモンドを転がさないよう、気を付けましょう。
真っ暗な中でダイヤモンドの光学特徴を撮影する
今回は、ダイヤモンドのブリリアンスとファイアとシンチレーションを、写真に収めることが目的です。
そう言われても、ブリリアンスとファイアとシンチレーションって何? ですよね。
詳しい説明は省きますが、
- ブリリアンスとは、ダイヤモンドが光を反射させることで、明るく輝くこと
- ファイアとは、ダイヤモンドを通る光が分散して、虹色に輝くこと
- シンチレーションとは、観察者や光が移動することで、ダイヤモンドが煌めくこと
要は、ダイヤがキラキラする光学的な効果のことです。
これらの効果を写真で表現するには、(上の写真の赤丸で囲った箇所のような)光の筋を作るとわかりやすい。
けれど、こういった光の筋って、明るい場所で撮影しても写りません。
周りが明るすぎるから。
だからといって、光がない場所では当然ダイヤも光りません。
そこで、暗闇の中でダイヤモンドに光を当て、光の筋が出るように撮影しました。
ダイヤモンドを煌めかせるには光量が重要
ダイヤモンドを真っ暗な環境に置いて、適当に光を当てれば光の筋ができる! と、そんなに簡単にはいきません。
暗闇の中でスポットライトのように光を当てると、なかなかちゃんとした写真が撮れないんです。
ピントは合わないし、ピント合わせたと思ったら今度は光の筋出来ないし。
特に光の量の調節は難しかった。
光を当て過ぎると、光の筋も出来ないし、ピントも合わない。最悪白飛びして何も写っていない。
つまりペンライトの光をまともにダイヤモンドに向けても、上手く撮影できないんです。
そこで、ペンライト周辺にできる淡い光をダイヤモンドに当て、撮影しました。
(わかりにくいので、明るい場所で撮影しています)
光の弱い位置といっても、その強さは様々。
調整もできないので、いつも通りちょっとずつ移動し、いろいろな写真を撮影していきます。
おそらくカメラの設定を調節すれば、もっと上手く撮影できるのでしょう。
でも絞りだとか、F値だとか、そういうのを調べてみても、結局よくわかりません。
わからないから、とりあえず露出補正だけを少し下げて撮影しました。
露出補正を下げると、写真全体が暗くなります。全体を暗くするから、強すぎる光を軽減できる…………はず? よくわかりません。
ただ、少し暗くすると、ピントは合わせやすくなりました。
結局いつもの失敗→取り直し→失敗→取り直しのループへ
やっぱり、私は当たって砕ける撮影方法の方が、合っているようです。
とにかくペンライトを少しずつずらして、カメラの位置もずらして、たまには強い光で撮ったり、逆に思いっきり暗くして撮ったり。
ダイヤモンドが煌めく位置を探して、何度も何度も撮影しました。
深夜真っ暗な部屋の中で、たった一人で。
ピントがボケボケだったり。
全く光の筋が出なかったり。
ファイア全開!なのに、ダイヤモンドを綺麗に撮れなかったり。
夜中に一人で、ダイヤモンドと格闘しました。
【写真No.17】 煌めくダイヤモンドルース写真 完成
本当はもっと強く光の筋ができた写真も、沢山ありました。
でもそういった写真は、どれもダイヤモンド自体が上手く写らなかった。
煌めき具合とダイヤモンドの仕上がり、両方が「まあ良いな」と思えたのがこの写真。
一度目のチャレンジにしては、よくできた方だと思います。
いつもと違う撮影方法も楽しかったので、もっと美しく撮れる方法を研究してみよう。
中央宝石研究所の特殊レポート「ダイヤモンドスパーク™」
日本の大手鑑定鑑別会社である、株式会社中央宝石研究所(CGL)では、「ダイヤモンドスパーク™」という特殊な書面を作成してもらえます。
これは、「通常感じることの出来ないダイヤモンドから出る光を可視化」したもの。
レポートに添付される写真は、まるで打ち上げ花火のような美しさです。
独特な美しさを持つダイヤモンドスパーク™の写真、こういう写真もいつか撮影してみたいなぁ。
まあ、「特殊な環境下での撮影」とあるので、自宅にあるもので気軽に撮影はできないとは思いますが。
興味がある方は、是非CGLサイトで確認してみてください。
撮影商品&使用道具
撮影商品
- ダイヤモンド 0.7ct up D VVS1 3Ex HC
使用道具
- 画用紙
- ペンライト
撮影環境
- 暗室
今回私が使用したペンライト、ネットで発見しました。
ペンライト、ボールペン、タッチペンと、3つのペンが揃い踏み。
結構便利なアイテムです(笑)