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【写真No.19】黒蝶真珠を撮影する際に相応しい背景色は何色か?

今回撮影した写真は、こちらです。

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何の変哲もない、白背景で撮影した黒蝶真珠、に見えますよね?

 

ではこっちの写真はどうでしょうか?

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別の真珠の写真?

 

いいえ、これは背景を変えただけの、同じ黒蝶真珠の写真です。

色の錯視じゃないですよ。もちろん、画像の加工もほとんどしていません。

なのに、こんなにも色が違って写る。

 

黒蝶真珠を単体で撮影すると、こういったことが起こります。

(肉眼で見たこの真珠の本当の色は、大体この2枚の写真の中間くらいの色味です)

おそらくカメラの設定をほぼオートにしているせいで、このような色の違いが起こっているのでしょう。

 

今回はこの黒蝶真珠と背景の関係について、考えていきます。

 

 

使用した道具は、画用紙、卓上照明、黒い手袋

 

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撮影の様子はいつもと同じです。

真珠は映り込みがあるので、できるだけ周囲はシンプルに

 

周りを白で囲いすぎるのもダメです。白ばかりが映り込むと、真珠の色も変わってしまいます。

適度に周囲を写してあげる方が、自然な真珠の輝きを撮影できますよ。

 

真珠の映り込みに関しては、こちらの記事も参考にどうぞ↓ 

jewelry-foto.hatenablog.com

 

一つ注意したいのは、今回の撮影は黒蝶真珠であるということ。

黒蝶真珠=黒い真珠。

黒地であるため、周囲の白いものや明るい色のものは、白系の真珠よりもはっきりと映り込んでしまいます

 

特に撮影者

思っている以上に、人間は白いです。

そのため、今回は撮影用セットではなく、撮影者の方に工夫をしました。

 

真珠撮影時には真珠の色と同色の服を着る

真珠に自分の姿が映り込むのであれば、映り込んでも目立たない色になればいいんです。

 

白い真珠の撮影時には、白っぽい服を着る。

黒い真珠の撮影時には、黒っぽい服を着る。

 

髪の色や肌の色など、変えようのない箇所は仕方ないにしても、服の色位なら変えられます。

何も全身着替える必要なんてありません。せいぜい上着だけ。

 

私は、白い真珠の場合は白パーカーを、黒い真珠の場合は黒パーカーを着ています。

パーカーを選んだのは、フードが付いているから。

髪の色を隠したい場合も、フードなら隠せます。

 

黒蝶真珠の撮影に黒手袋は役立つ

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黒蝶真珠の撮影時にあると便利なアイテム。それは、黒い手袋です。

夏場や半袖を着ている場合は、肘近くまである長い手袋がおすすめ。

 

先ほど真珠に合わせて服を着替えると言いましたが、実は服についてはあまり大袈裟に考える必要はありません。

最悪着替える服がなければ、被写体から少し離れるだけでも十分です。

 

ですが、カメラを持つ手はそうはいきません。

手はどうしても、被写体に近づきます。そして、かなりくっきりと真珠に映り込みます

特に黒蝶真珠が被写体の場合は、ちゃんと「手」とわかるように映り込む。

 

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こんな風に。

 

撮影時の手が映り込むなら、三脚を使えばいいんじゃない? と思いますよね。

でも撮影の際にカメラ角度を少しずつ変える私の撮影方法では、三脚はとにかくメンドクサイ。わずかに動かす度にセットし直すのは、想像しただけでメンドクサイんです。

それに、黒い真珠用に黒い三脚、白系真珠用に白い三脚を用意していたら、お金だってかかります。 

 

この手の映り込みを解消するために用意するのが、黒手袋

黒手袋をつけた状態で撮影すると、見事に手が写らなくなります。

 

一番良いのは、夏場に女性が使用するような、アームカバー

もちろん、指先までしっかりとあるタイプですよ。指が出ていたら意味がない。

 

 

こういうタイプのものが良いですね。

 

黒蝶真珠の撮影の最大の難関は色

 

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真珠の撮影では、背景の色が真珠の色に大きな影響を与えます。

裏を返すと、どんな色の背景で撮影しても、真珠に何らかの影響を与えてしまうということ。

だから、写真で本当の真珠の色を表現するのは、とても難しいことなんです。

 

特に黒蝶真珠の場合、背景の色によっては、真珠と背景のコントラストが強くなりすぎることがあります。

初めの写真、白背景で撮影した黒蝶真珠が黒く写りすぎているのは、コントラストの問題なのでしょう。

逆に背景を黒にすると、淡い銀色のようになってしまいました。

 

このように、本来の色味を写真で出すのはなかなか難しいです。

色々な背景で比べ、真珠の色ごとにベストな背景色を見つけ出す。これが真珠を美しく撮影するコツといえるでしょう。

 

今回は実験として、様々な色の背景を用意し、それぞれ黒蝶真珠がどう映るのかを比較してみました。

 

使用するのはこの背景

 

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今回比較のために用意したのは、上の5枚の様々な(家にあった)背景用紙。

 

  1. 淡いピンクの和紙
  2. 黒の画用紙
  3. 赤く薄い梱包用紙
  4. くすんだオレンジ色の半紙
  5. 茶封筒

 

この5枚に加えて、白画用紙で撮影しました。

それぞれの写真を比較してみましょう。

 

真珠下半分に背景色が映り込む

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どうでしょう?

念のために言っておきますが、全部同じ真珠です。

 

注目するのは、真珠下半分の映り込み

背景用紙が映り込んでいて、真珠全体の色に影響を及ぼしています。

 

例えば色の強い赤の背景は、真珠にもはっきり赤く映り込んでいます。

ところが黒背景は、真珠に映り込んでいることがほとんどわかりません。

黒背景の写真では、映り込んだ背景の「黒」と黒蝶真珠の「黒」とが馴染んでいるのですね。

 

また黒背景以外の真珠には、中央部分により深い黒色部が出来ています

この黒色部は撮影している部屋の様子。(暗闇で撮影したわけではありませんよ!)

おそらく背景用紙と室内の明暗差が大きいので、黒くなっているのでしょう。

 

真珠撮影で使う背景の色に正解はない

どの背景色が正解、というものはありません

そもそも、どの写真も大なり小なり元の真珠色とは異なっています。

 

1つ断っておくと、私はネットで真珠を販売する業者ではありません。

私にとっては、いかに美しい真珠を撮影するかが重要なので、正直実物の色と多少異なっていても構わないんです。

だから、いろいろな色で撮影して楽しんでいます。

 

でも、ネット販売する真珠屋さんにとっては、本物と色が異なっていたら大問題ですよね。

どうすれば、写真で本来の真珠の色を表現できるか。日々苦労なされていることでしょう。

 

今回の撮影で、真珠撮影の難しさが改めて浮き彫りになりました

 

【写真No.19】黒蝶真珠×白背景 完成

 

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今回は、この写真を選択しました。

でも先ほども書いたように、この背景色を選ぶのが正解だという答えはありません

 

いろいろな背景色を試して、一番自分の納得いく写真を撮影する。

真珠の色を出来るだけ現物に近づけるのか、それとも写真全体の仕上がりを美しくするのか。

真珠撮影は本当に難しいですね。

 

ちなみに、なんとなく撮影したこの写真も、今回のお気に入り↓

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ボトルガムをひっくり返して、撮影 

 

撮影商品&使用道具

撮影商品

 

  • 黒蝶真珠  16.4mm珠

 

使用道具

 

  • 色々な紙
  • 卓上照明
  • 黒手袋

 

 

そういえば、一つ説明漏れが。

 

今回の黒蝶真珠、実はかなり大きな真珠を使用しました。

通常、黒蝶真珠と言えば、10mm台前半。

でもこの真珠は16mmを超えた、超大珠。普通の黒蝶真珠と比較すると、こんな感じです。

 

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右が今回の黒蝶真珠。

昔、縁日で売ってた「どんぐりあめ」くらいの大きさ、と言ったらピンと来ますか?

私はぶどう味が好きだったなぁ(笑)