今回撮影した写真は、こちら。
ダイヤモンドとルビーのペンダント。
すっきりとしたデザインの大人なジュエリーです。
これからの季節、涼し気に開襟した胸元を美しく飾ってくれるのは、やはりこういったダイヤモンドやカラーストーンですよね。
では早速、撮影風景を見ていきましょう。
- 使用した道具は白箱、卓上照明、鏡、プリーツスカート
- とにかく角度や距離を変えて撮りまくる
- 写真チェックで見えてくる様々な問題
- カラーストーン付きのジュエリーは画像補正を最小限に
- No.2 ルビーとダイヤモンドのサークルペンダント 完成
- 撮影商品&使用道具
使用した道具は白箱、卓上照明、鏡、プリーツスカート
今回の撮影風景は、このような感じです。
いつもの白箱には、背景用に私物のサテン地プリーツスカートをかぶせています。
これです。
クリーニングから帰ってきたばかりのスカートを、いきなりくしゃくしゃに。
結構いい値段のスカートなので、少し躊躇いました。
でもジュエリー撮影の際は、クリーニング(or洗濯)後の「良い」服を使用することは必須です。
ジュエリー撮影では、被写体が小さいので出来るだけアップで撮影します。
すると、普段は気にならないようなちょっとした汚れ・ほつれがとても目立つ。
そんな場所が写真に写らないように、出来るだけ未使用に近い布もしくは洗い立ての布を利用します。
また、品質の良い生地を使うことも大切です。
安い服や着古した服は、アップで撮影すると「生地感」「布感」が全面に出てしまい、ジュエリーよりも背景が目立つことがあります。
背景が悪いと、ジュエリーも美しく見えません。
だからこそ、ジュエリー撮影の背景には、汚れていない良い生地が必要なのです。
とにかく角度や距離を変えて撮りまくる
背景が決まったら、撮影。
とにかく、沢山撮影。
こういう写真や、
こういう写真を、合計で約80枚くらい撮影しました。
背景生地を動かしたり、ペンダントや鏡の角度を変えたり、近付いて撮影したり、遠くから撮影したり。
同じ角度でも何度も撮影して、確認して、また撮影。
途中でくじけそうになります。
写真チェックで見えてくる様々な問題
何枚か撮影したら、定期的に大きなPC画面で撮影写真の確認を行います。
すると、撮影時には上出来と思った写真なのに、宝石の反射が悪かったりと、ピントが合っていなかったり、使えない写真であることに気づきます。
気に入った角度や構図でも、美しくない写真はこの段階で削除です。
写真チェックで浮き彫りになった問題点は、2つ。
- テーブルファセットの全反射
- ピントが甘い
テーブルファセットの全反射
この写真の矢印部分、ルビーに注目してください。
この真っ白に映った部分は、ルビーの中で一番大きな平面(この部分のことを、専門的にはテーブルファセットと呼びます)です。
他のルビーは小さな面が白くなっているだけですが、矢印のルビーはテーブルが白く映っており、色のある宝石であるルビーの魅力が損なわれています。
この現象は、光を当てる角度が悪く、当たった光が全反射しているから。
簡単に言うと、「照明」もしくは「鏡」の角度が悪い。または、撮影角度が悪い。
ただ、全反射する事自体は、決して悪いことではありません。
むしろ石の一部が全反射している写真の方が、キラキラして見える。
上の写真の9時方向にあるルビーは、どの面も全反射してないけど全体的に暗い印象ですよね。
問題は、どの面が全反射しているかです。
上の写真のように、一番大きな面が全反射した場合は、宝石全体の色や宝石内部の様子が写らず、綺麗な宝石に見えません。
その為、理想の位置に全反射面が来るように、鏡の角度や光の角度を変えていきます。
ピントが甘い
次の問題は、宝石にピントがビシッと合っている写真であるかどうか。
一見ピントが合っているように見える写真も、大きな画面で見るとピントが甘い場合が多いです。
特にダイヤモンドの場合は、内部までぼやけずに、くっきり映っていることが、重要。
ピントがちゃんと合うことで、ダイヤモンドの輝きが表現できます。
インスタに上げた写真の中で、私の理想に一番近づけたピントばっちりの写真が、こちらです。
スクショなのではっきり見えませんが、この写真は本当にお気に入り。
ダイヤモンドのダイヤモンドらしさを、きちんと撮影できた写真です。
こういう写真が撮れるように、何度も何度もチャレンジです。
カラーストーン付きのジュエリーは画像補正を最小限に
このジュエリーに限らず、カラーストーンの付いているジュエリーは、画像の補正は最小限にしています。
何故なら、画像が不自然になるから。
例えば、この写真をご覧ください。
初めの写真に、更に画像加工を加えました。
具体的には、ルビーの部分だけを選択して、赤色を+150、明るさを-100、コントラストを+90という加工をしています。
初めの写真と比べてみましょう。
無料の画像加工ソフトでも、ここまでできます。
ですが、追加加工した写真では、なんだかルビーの立体感がなくなっているようにも見えませんか?
画像加工すれば、どんなカラーストーンも最高級の色合いに見せることはできます。
けれど、代わりに不自然な写真が出来上がる。
そんな不自然な写真は、美しくはないですよね。
No.2 ルビーとダイヤモンドのサークルペンダント 完成
今回の写真は、ピントを合った写真を撮るのに時間がかかりました。
シャッターの半押しでピントを合わせても、何故かビシッと決まらない。
これはもっと練習が必要ですね。
撮影商品&使用道具
撮影商品
- プラチナ製(Pt900)天然ルビー&ダイヤモンドペンダント
使用道具
- 白箱
- 卓上照明
- 鏡
- サテン地プリーツスカート
- 根気