今回撮影した写真は、こちらです。
暑中見舞い用写真、No.2です。
残念ながら、こちらも最終的にはボツにした写真です。
この写真がダメだった理由は、2つあります。
1つは、はがきサイズの紙に印刷したら、寂し過ぎるから。
上の写真のように、正方形にトリミングした状態だと寂しいとは思いません。
ところが、はがきサイズになったら、空白部分が多すぎる。
「ゴージャスなのに寂しい」という、何とも言えない仕上がりになってしまいます。
そして、もう1つの理由は、リングが重なっているから。
ジュエリー写真で、商品同士を重ねるときは注意が必要です。
こちらの詳しい話は、撮り方の紹介と共に解説していきます。
使用した道具は、白箱、白画用紙、卓上照明、卓上鏡×2、リメイクシート
配置はいつもと同じです。
と言うよりも、前回の引き続きで撮影しているので、本来必要ない台座までそのまま残っていますね。
白箱の下に置いている白い台座は、今回は特に役立っていません。
また、写真の真ん中下に置いているグレーの布は、ジュエリーを拭くために用意したものです。
指紋などの汚れや、ホコリを取るために使用しています。
このようなジュエリー用のクロスは、撮影時には一つは用意しておくと便利です。
カメラのレンズにも使用できますしね。
こちらのグレーの布はジュエリー専門の道具ですが、眼鏡拭きでも代用可能ですよ。
また同じクリーニング用の布でも、貴金属を磨くクロスなど、用途が別のタイプも売っています。
布に研磨剤が入っている場合、貴金属の状態や宝石の種類によっては、使用を控えた方が良いこともあります。
簡単な汚れやホコリを除去するだけなら、貴金属専用クロスは必要ありません。
クロスが無ければ、ティッシュで拭くだけでも十分です。
背景は100均のリメイクシート
大理石っぽい背景は、大理石柄のリメイクシートを利用しました。
100均で売っているものです。
シールタイプなので、家具や小物に貼って使用するようですね。
かなりの大きさがあります。
購入した状態のままでは折れ目やたたみ癖があるので、白画用紙に貼り付けてまっすぐに伸ばしています。
このリメイクシートのシリーズは、他にもレンガ調や木目調など色々な種類があります。
こういったものを背景にするのも、面白いですね。
艶のあるリメイクシートは光が反射しやすい
このリメイクシートは、ツルツルした素材で艶があります。
そのため、上の写真の赤丸部分のような、光の反射が起こりやすい素材です。
普段の背景であれば、光を調整するなどして、反射を消します。
ただ、今回は「大理石風」背景ですので、光の反射は消していません。
光が反射することで、より本物の「大理石」っぽく見えるんですよね。
ただ今回は、トリミングの際にアップにし過ぎたせいで、肝心の光の反射は全く写っていないのですが。
商品イメージが狂う重ね方はダメ!
出だしに書いた通り、この写真は暑中見舞いには使用しませんでした。
使わなかったもう一つの理由、それはジュエリーが重なっているからです。
同じ重ねるに新手も、前回の写真のような重ね方は問題ありません。
リング、重なっていますよね。
今回の重ね方の、良くなかったところ。
それは、あまりにもピッタリと重なりすぎている点です。
リングが綺麗に重なっているせいで、個々のリングの形が良くわからなくなっています。
3本のリングを重ねているのか、それともこういうデザインの1本のリングなのか?
このようなジュエリーの本来の形が分からなくなる重ね方は、ジュエリー写真としては失格です。
実は同じような失敗が、過去にもありました。
この写真、ブローチが2つ重なっているんです。
でもパッと見たとき、どのように重なっているのかはっきりしないですよね。
このように、個々のジュエリーのイメージが崩れてしまうような写真は、家族内会議で却下されます。
【写真No.28】 2021年暑中見舞い用写真 その2 完成
実は、この写真は、却下されることがわかっていて撮影しました。
全体が寂しくなることも、ジュエリーを重ねるのが良くないことも、初めから分かっていたことです。
この写真を撮影した理由は、もっと別のところにあります。
何の道具も仕掛けも利用せず、こんなに綺麗にリングが重なった!
これって、すごくない?
そもそも、ジュエリー同士を重ねるときは、互いに傷がつかないように最新の注意を払います。
一か所でも傷がついたら、ジュエリーを磨き直さなくてはいけません。
クロスで磨く程度ではダメです。仕上げ作業のやり直しになります。
だから重ねるときは、そっと、本当にそっっと、重ねます。
音もたてずに、ゆっくりゆっくり重ねていく。
一度も落としたり、擦り合わせたりしてはいけません。
ゆっくり、慎重に、震える手を抑えながら。
そうして一回でぴったり重なった、3本のリング。
ホワイトワックスなどの道具は、何も使用していません。
種も仕掛けもなく、本当にただ重なっているだけのリングなんです。
どうしてもこの感動を、誰かに伝えたかった。
それだけなんです。
撮影商品&使用道具
撮影商品
- Pt900 ダイヤモンドリング
- Pt900 ダイヤモン一文字ドリング(ラウンドブリリアントカット)
- Pt900 ダイヤモンド一文字リング(プリンセスカット)
撮影道具
- 白箱
- 白画用紙
- 卓上照明
- 卓上鏡×2
- リメイクシート