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【写真No.34】色石の写真撮影方法!鏡に置いて撮ればプロの一枚に!?

今回の写真は、こちらです。


ご覧の通り、先日の過去写真のリベンジです。

石の色は違いますが、あのアメシストを撮影したのと同じ方法で撮影しました。

jewelry-foto.hatenablog.com

 

 

なんだか、「プロが撮った宝石写真」っぽく見えませんか?

見え………ませんね。細部の出来は、まだまだです。


まあ、プロっぽいかどうかは置いておいて。

 

今回、この画像は背景の色以外は、大きな加工は行っていません。

それなりに実物に近い色の写真に仕上がったと思います。

 

色石撮影では、出来るだけ実物と同じ色に見えるように撮影・画像加工を行います。

でも私は大した加工ソフトを持っていませんので、出来る限り加工に頼りたくない。

なので単純な写真ではありますが、意外と撮影枚数は多かったです。

 

では早速この写真の撮影方法を見ていきましょう。

 

 

使用した道具は、白画用紙、卓上照明、卓上鏡、手鏡

撮影セットの方法は、簡単。

鏡を平置きし、その鏡に映る位置に画用紙を置きます。

白画用紙を用意したのは、背景を出来るだけ均一に白くしたかったから。

もちろん、これだけで均一な白にはなりませんので、どうしようもない部分は後から画像の加工をします。

 

鏡の右下に斜めのラインが入っている?

ああ。これは、先日長年愛用しているこの卓上鏡を、床に落としてしまって割ったからですね。

セロハンテープで補強しています。

 

愛用品だから捨てづらくて。

すみません、そのうち購入します。

 

 

また、上の画像には手鏡が映っていませんが、撮影時に光を調整するために使用しました。

 

ルースを置く位置は、

・鏡にきちんと白画用紙が映っている位置(鏡に映った白画用紙が背景に来る位置)

・鏡のフレームが、仕上がり写真の邪魔にならない位置

を選びます。

 

適切な位置は、鏡・画用紙の位置やカメラの角度によっても変わります。

 

納得がいく角度が見つかるまでとにかく撮影

 

このルース撮影、意外と力業で撮影しています。

要するに、上手くいくまで角度を変えつつ徹底的に撮影する。

 

手鏡の角度を変えたり、カメラの角度を変えたり、照明の角度を変えたり。

 

コツとしては、

正面・斜めの両方を撮影する

・正面から撮影する場合は、カメラレンズとルースのテーブル面(石の正面(てっぺん)にある、その石の一番大きなカット面(ファセット)のことです)を出来るだけ平行にする

・鏡に映っている「鏡像」の歪みにも注意をする

ピントを合わせる位置を変えながら撮影する

 

こういったことに注意しながら、撮影していきます。

 

失敗かどうかはPCで画像確認する方が分かりやすい

 

撮影した画像は、コンデジの画面でも確認できます。

ですが、出来る事ならPCに保存してから確認しましょう。

大きな画面で見る方が、全体の映り方や細部の映り方を確認しやすいですよ。

 

PCに落とした画像であれば、全体の印象を見たり、拡大してピントの合い方を確認したりするのも容易。

ただし、写真をいっぱい見る程、何が良いのか分からなくなってきます。

そんな時は心を無にして、自分が一番好きな画像を選びましょう。

 

今回私は、自分が一番好きな画像を選びました。

 

ボツにした画像とは?

ではここからは、私が今回ボツにした画像を紹介していきます。

 

①色抜けが大きい画像

色石ルース撮影で一番大きな失敗は、一部が大きく色抜けすることです。

 

↑の写真の場合は、赤丸で囲った部分が、他の部分と比べて色が薄く写っています。

この色抜けだと、まだ随分マシな方。

色が抜けている部分も、きちんとファセットが見えますよね。

もっとひどくなると、本当に一部が無色透明の石であるかのように見えることもあります。

 

色抜けは、色石最大の魅力である「色」が分からなくなるので、完全にボツです。

ところが、この色抜けは結構な頻度で起ります。

僅かな角度の違い、光の当て方の違いで、ファセット面が全然映らなくなる。

 

石の研磨具合によっても発生するので、撮影角度を変えるくらいでは防ぎようがない場合もあります。

まあ、色石は基本的に「真上から見たときに色がきれいに見えるように」カットするので、写真での色抜けは仕方がないのかもしれません。

 

でも、折角色石ルースを撮影するのだから、色を美しく見せたいですよね。

 

②全体が暗く写りすぎている/全体が均一に映りすぎている

色は抜けなかったけど、全体が暗すぎる写真も、ボツです。

 

先程の色抜けは、一部が極端に明るすぎる例です。

ですがこの写真は、全体が均一に暗く写りすぎていますよね。

宝石特有のキラキラ感がない。

 

もちろん、キラキラ輝かない宝石もあります。

ですが、ルース撮影の場合は、出来ればある程度のキラキラ/明暗差も欲しい。

 

暗すぎる、均一過ぎる写真の場合は、光の当て方を変えて、再度撮り直しを行います。

 

③テーブル面のファセット稜線が異常にピンボケしている

一見、綺麗に撮影できているように見える、この写真。

よく見ると、ピントが合っている位置がおかしいです。

 

拡大してみましょう。

外周もピンボケしていますが、何よりも赤丸で囲った部分、テーブルの稜線(ファセットの境目)部分が完全にピンボケしていますよね。

つまりこの写真は、宝石の奥側にピントを合わせてしまった写真なんです。

よく見ると、宝石表面よりも、宝石の中の方がくっきりと映っていますよね。

 

好みの問題でもあるので、こういった写真が絶対にダメだとは思わないです。

ただ、一度拡大して確認したら、「あれ?この写真なんだかピントずれてない?」って思ってしまいます。

そうなるともう、失敗写真にしか見えないんですよね。

 

④鏡像がずれている/歪んでいる

この写真は、まず第一に全体が暗い。

そしてもう一つ。

真正面から撮影している写真なのに、鏡に映ったルースの鏡像が歪んでいます。

 

正直、真正面から撮影する場合、鏡像まできっちりと真っすぐ映ることは少ないです。

いつもこれくらいは歪みます。

 

先程も説明した通り、色石はダイヤモンド程カットの正確さを重視しません。

それよりも色の美しさを重視します。

だから、カット自体が多少は歪んでいます。

何の調整もせず石を鏡に置いたら、鏡像は歪んで当然なんです。

 

これを防ぎたい場合は、一生懸命ルースを置く角度を調整するしかありません。

今回は面倒だったので、正面写真を諦め、斜めからの撮影に切り替えました。

 

【写真No.34】  アクアマリンルース 完成

 

そういえば、これが何の石なのかを紹介するのを忘れていました。

アクアマリンです。

 

こういう濃い青のアクアマリンは、アクアマリンの中でも最上級とされる色。

俗称として「サンタマリア」とか「サンタマリア・アフリカーナ」とか呼ばれています。

「サンタマリア」は、ブラジルのサンタマリア鉱山から産出していたから。(現在は閉山)

「サンタマリア・アフリカーナ」は、サンタマリア産の最高級カラーと同じようなものが、アフリカのモザンビークで採れたから。

どちらも、産地の名前が俗称の由来となっています。

 

でも正直、このアクアマリンの産地は分かりません。

だから、私はどちらの名称も使用せず、ただ単に「アクアマリン」と呼んでいます。

そもそも宝石の産地なんて、中々分かるものじゃありません。

巷の「サンタマリア」も「サンタマリア・アフリカーナ」も、実際どこからやってきたものなのか、分かったものじゃない。

だったら、そんなヤヤコシイこと言わずに、単純にこの宝石の名前で呼んであげましょうよ。

 

この宝石は、鉱物名 天然ベリル:宝石名 アクアマリン

そういう名前の宝石です。

 

撮影商品&使用道具

 

撮影商品

  • アクアマリン ルース 4.45ct

 

撮影道具

 

  • 白画用紙
  • 卓上照明
  • 卓上鏡
  • 手鏡

 

そう言えば解説するのを忘れていました。

撮影前にアルコールなどを使用して、卓上鏡をピカピカに磨いています。

鏡というのは、自分が思っている以上に汚れているものなんですよね。

 

撮影道具に「消毒用アルコール」も追加、と。