今回は、写真の撮り方というよりは撮影用道具の話です。
リングを立てる際に使うホワイトワックス。
このサイトではずいぶん前に紹介しました。
これがホワイトワックスの実物です。
手でちぎれる、柔らかいロウソクみたいな質感。
以前の記事ではホワイトワックス代用品もいろいろと紹介しましたが、最近、ホワイトワックスの代用に最適なアイテムを見つけました。
それがこちらです↓
文房具コーナーで時々見かける「便利そうだけどわざわざ購入する必要ないかな?」的扱いの便利道具、ひっつき虫さん!!
本日はこの新ホワイトワックス代用品「ひっつき虫」の紹介です。
「ひっつき虫」の概要
左:ひっつき虫(不透明) 右:ホワイトワックス(半透明)
ひっつき虫は、コクヨが販売する「ソフト粘着剤」です。
好きな大きさにちぎり、指で揉んで使用します。
素材は、合成ゴム。
触った感じは、粘着性のある練りケシのような感じですね。
ひっつき虫の主な用途は、
- 壁に写真やポスターを貼り付ける
- 小物の固定
- フィギュア・模型の仮止め
などなど。
やわらかくて、好きな大きさにちぎれるので、どんなものにも貼り付けることができます。
その上簡単に剥がせるので、壁も紙も小物も、つけた部分を傷つけることはほとんどありません。
画用紙や壁、そしてジュエリー、真珠などに使用しましたが、今のところ傷ついたものはありません。
ただし。
注意書きには、「貴重品や壊れやすい物には使用しないでください」とあります。
なので、ジュエリーに使用する際は、くれぐれも自己責任で行ってください。
あまり長時間つけたまま放置するのは避けた方が良いかな、と思います。
ひっつき虫を使ったジュエリー写真撮影
ひっつき虫でリングを立てた写真
このリングは比較的幅の広いリングなので、立てやすいです。
上記の写真では、出来るだけリング幅に収まるように少量だけひっつき虫を使用しています。
リングの下から、わずかにひっつき虫が見えていますね。
でもこの量なら、見えていてもありかな?と思っています。
ちなみに。
このリング、撮影後も5分以上は立った状態をキープできました。
安定性は抜群です。
トップが重いリング(大珠真珠のリングなど)にも使用しましたが、数分間程度なら十分に安定させることが出来ました。
ひっつき虫の粘着力はけっこう凄い!
ひっつき虫がどれくらい安定しているのかを試すために、立てたリングを斜めにしてみました。
その結果が上の写真。
かなりの傾斜にも耐えられるようです。
ただし、ここまで斜めにすると、流石に長時間はキープできません。
何度か実験した結果、最高で90度(垂直)にまで達しましたが、一瞬で倒れました。
そして比較のために、ホワイトワックスも同じように傾斜実験を行いました。
あれ?
こっちも意外と垂直くらいまでキープできている?
粘着力勝負は、甲乙つけがたいですね。
粘着力のために量を増やすと画像加工の手間が増える
より安定性を求めるなら、ひっつき虫の量を増やすのも一つの手です。
こんな風に。
ただし、この状態で撮影するとひっつき虫がかなり目立つので、ジュエリー写真としては頂けないかな?と感じます。
そのため、画像加工による「ひっつき虫消し」が必要になります。
実際にやってみました。
ん?
ん?ん?ん?
指輪が浮いて見える!?
私の加工技術でひっつき虫を消すと、見事な不自然写真になっていますね。
もっと上手に加工できるなら、ひっつき虫の量を増やしても問題ないと思いますが、画像加工に自身が無いなら少量にしておいた方が良いようです。
後始末は楽!ひっつき虫は跡が残りにくい
今回、ひっつき虫がホワイトワックスより優れていると感じたことがあります。
それは、後始末に関する点です。
ひっつき虫は、使用後リングに跡が残りにくいです。
赤丸の部分に、ひっつき虫がついていました。
金属の汚れはほとんどありませんよね?
ホワイトワックスの場合、このようになります↓
赤丸の部分が、明らかに曇っていますよね。
ホワイトワックスの場合、このように付いた部分を汚してしまいます。
どちらを使った場合でも、一度汚れた貴金属は再度綺麗に磨くのですが、どうせならあまり汚れない方が良いに決まっています。
素材の種類や表面仕上げの状態にもよりますが、ひっつき虫の方がホワイトワックスよりも汚れにくいようです。
【写真No.36】ひっつき虫で立てたリング写真 完成
ひっつき虫の利点は、
- 粘着力がある
- 少量でも立てることが出来る
- たくさん使うとキープ力も上がる
- 素材が汚れにくい
などなど。
ホワイトワックスと比べても、同程度かそれ以上の安定性を見せてくれました。
特に、汚れにくいというのはひっつき虫最大の利点だと思います。
ただし、一応貴重品に使用するのは避けるように、という注意書きがあったので、撮影で使う際は、様子を見ながら使用してください。
長時間着けっぱなしにするのは、避けましょうね。
撮影商品&使用道具
撮影商品
- K18アコヤ真珠厘珠リング
撮影道具
- ひっつき虫
おまけ:ひっつき虫の使用例 鉱物標本編
ひっつき虫は、使用用途の一つに「小物の固定」とありました。
なので、私は小さな鉱物標本を立てるのにも、使用しています。
もちろん、ジュエリーと同じく、長時間着けっぱなしにすると素材を痛める可能性があります。
上の写真の鉱物は、左からショール・クォーツ・スポジュメン(クンツァイト)
こういった鉱物なら、ひっつき虫を長時間つけていても大丈夫かな?と思っています。
ただし、絶対に傷付かない・変質しない、という保証はないです。
なので時々、ひっつき虫を外して様子を見ながら使用しています。
特に夏場は注意していました。
弱い鉱物、とても希少な鉱物、傷ついたり変質したら取り返しがつかない鉱物には、あまり使わない方が良いですよ。