真珠を撮影しても、どうしても綺麗に映らない。
そんな悩みは、ジュエリーを撮影した人なら一度は感じているはず。
私は未だにずーっと感じています。
何故、綺麗な写真にならないのか?
それは、真珠の特性にあります。
今回は、真珠の特性と撮影上の注意点について、考えていきます。
真珠を撮影する時は「テリ」が厄介
真珠の美しさの基準(?)というか、美しさの表現方法(?)の一つに「テリ」というものがあります。
上の写真は結構高品質な真珠、つまりは「テリ」の良い真珠。
この「テリ」の良さが、真珠撮影時にはものすごく厄介なんです。
まず、真珠の品質の見方の基本を、考えてみましょう。
真珠の品質の見方
- 北向きの大きな窓がある白い壁の部屋で、出来れば白系の布上に真珠を置く。
- 置いた真珠を、真上から観察。
- 「鮮魚店で売っている魚の目を見る」感覚で真珠を見ましょう。真珠は”海産”物です。(食べれないケド)
珠ひとつづつの真ん中に、「円」が見えてきませんか?
見え方は品質によって異なりますが、高品質な真珠ほどはっきりその「円」が見えます。
そこに見える「円」の中、それがより奥深く見えるのが高品質な真珠です。
逆に「円」の中がぼやけてる、もしくは「円」そのものがぼやけているのは、そんなにも高品質な真珠ではない、ということになります。
映っているのは撮影者!
高品質な真珠の証明ともいえる、この「テリ」。
でも、撮影時には「テリ」がものすごく問題なんです。
テリが良い=中央に深みを感じる → 映っているのは、あなたとあなたの周りの風景
つまり、
真珠は高品質になればなるほど、撮影者が真珠に映ってしまう!
もう完全に、鏡に向かってカメラを構えているようなものです。
恐ろしいことにその鏡は凸レンズなので、撮影者の周りの様子もばっちり映る。
先程の写真を良くご覧ください。
真珠の中央に見えるのがdocomo携帯「SH-01k」(=私のスマホ)、その下の肌色が「私の手」です。
真珠の写真をネットにアップしている皆様、ご注意ください。
拡大したら、あなたがスマホやカメラ、部屋の様子まで丸見えです。
時々、「あ、撮影しているのスーツ着てる男の人だ」とかまで分かります。
でも、逆に全く映っていないorぼやけて何が映っているかわからない真珠は、「テリ」が弱い低品質な真珠ということになる。
だから、映って欲しくないけれど、写真には写って欲しい。
どうするのよ、この問題。
真珠は「周囲のもの」を映して撮影する
私が撮影したいのは、「美しいジュエリー」の写真です。
ぼやけて魅力がない真珠の写真なんて、見てもトキメキませんよね。
高品質な真珠=「テリ」が良い=周囲が映る!
どうしようもないことです。逆に、映るからこそ「綺麗な真珠」に見える。
だから、映るのは良いことなんです。
だって被写体が高品質なら、周囲の様子はより鮮明に映らなくてはいけない。
だったら、もう映すしかありません。
映しましょう。
はい、堂々と周囲の様子が映りました。
黒蝶真珠には、手前のゴールドの真珠リングまでばっちり映っています。
これはちょっと映しすぎですが、でも「綺麗な真珠」に見えるでしょう?
周りが映り込んでこそ、綺麗な真珠。
普段は窓とカーテンを映り込ませたり、他の真珠を映り込ませています。
あと、白系の真珠撮影時は白いパーカーで頭まで覆い、黒系の真珠撮影の時は黒い服。
写真に写るかどうかわからないけれど、万が一の為に撮影の服装にも気を付けています。
注意!自分の映り込みは出来るだけ避ける
私は、「真珠を撮影する時は周りの様子が映っても良い」と考えています。
それよりも写真全体を見て、「綺麗な真珠だな」と感じることの方を重要視しているから。
でも、撮影時に注意していることもあります。
それは、出来るだけ「撮影者」は映さないこと。
何にも考えずに撮影して、加工して、出来上がった写真をよく見てみたら……
「あ! 真珠に私の顔が映ってる!」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
これは結構恥ずかしいので、気を付けています。
何を映せば良いかを探すのも楽しい
真珠の撮影は、凸レンズに向かってシャッターを切るようなもの。
撮影時の周囲の様子が、真珠に映るのは仕方がないことです。
だから、積極的に周囲の様子を映して良い。
そうすることで真珠が美しく見えるのなら、それは撮影方法として良いことですよね。
勿論何を映せば「綺麗」に見えるかは、その時々によっても異なります。
撮影時に「これいい!」と思っても、出来上がったら「そうでもないな」なんてこともよくあります。
未だに何を映せば正解なのか、それも分かりません。
でも、だからこそ、真珠に何を映せばいいか考えるのが楽しくなるんです。
真珠を撮影する場合は、真珠に何を映すのが良いのか、それを探ってみてください。