ハイブランドのHPなどで見る真珠のネックレスの写真って、とても綺麗に配置されていますよね。
一本のネックレスを写すとき、すごく自然で綺麗な円形を描いているでしょう?
あの写真を当たり前だと思って見るのは、間違い。
そう簡単に、綺麗な円形に配置することはできないです。
ほら、ね。
留め金付近にある真珠が、傾いているでしょう?
この写真は、真珠ネックレスの配置練習で撮影した写真です。
真珠の中でも半円形をしている「マベ真珠ネックレス」を使い、撮影しました。
マベ真珠の底は平らにできている
マベ真珠はほとんどの場合、裏面が完全に平らです。
浮いている箇所の真珠を見るとわかりますが、マベ真珠の裏には別の素材(多くの場合はマザーオブパール(=真珠貝の貝殻)を張り合わせます。
人工的に張り合わせるもので、多くの場合は平らなものを使用します。
裏が平らなのだから、円形にも置きやすいはず!
と、思ったのですが、玉砕しました。
そもそもネックレスというのは、人の体に沿うように設計されています。
このマベ真珠ネックレスも、着けたときに体に沿うようになっている。
2本の糸を使って微妙な力加減引っ張り、立体である人の首元にピッタリ沿うように。
だから、平面に置く用には作られていないんですよね。
球形をしている通常の真珠でも綺麗に置けない
通常の球形の真珠ネックレスであれば、留め金付近の真珠は浮きません。
先ほどの写真は、マベだからこそ浮いたと言えます。
でもね、球形の真珠だからと言って、簡単に円形に配置することはできないんですよ。
真珠ネックレスは、しっかり糸を張って作っているものです。
すでに糸がピンと張っているので、当然思うような形に変形させることはできません。
糸が緩んでいれば少しは何とかなるかもしれませんが、それだとだらしない印象になってしまいます。
しかも、真珠というのは球形に見えていても、ほとんどは変形している。
真円ではないので、糸を張ってつなぐと、どうしてもガタガタする箇所があります。
MIKIMOTOのHPに掲載されている見事な写真
まずは皆さん、MIKIMOTOのHPへ行ってみてください。
そしてパールネックレスコレクションのページをご覧ください。
そこには、まん丸に配置されたネックレス写真がたくさん掲載されています。
あれは一体、どうなっているんだろう?
わずかな変形も省いた真円真珠だけ揃えて、ちょっとだけ糸を緩めに作って撮影?
何度見ても、不思議なんですよね。
円形に配置された、あの写真。
プロの技、なのかなぁ?