鉱物好きな方なら常識ですが、宮沢賢治という作家は鉱物ファン側から見ると特別な存在です。
何しろ、「鉱物愛好家」として有名な方です。
仲間意識?が芽生えます。
宮沢賢治作品には、沢山の鉱物が(その特性も含めて)登場します。
鉱物が好きな人が読めば、「この表現は、〇〇という鉱物の▽▽な特徴のことを言っているんだな」と、ニヤリと出来るんですよ。
今回紹介するのは、そんな宮沢賢治作品、ではなく。
宮沢賢治作品を通して、岩石や鉱物について学ぶ本です。
「宮沢賢治と学ぶ宇宙と地球の科学」3
この「宮沢賢治と学ぶ宇宙と地球の科学」という本は、全部で5巻からなるシリーズものです。
筆者である柴山元彦さんが手掛けた「宮沢賢治の地学教室」という本の内容を、より深く詳細にしたものが、同書。
内容は、(主に、火成岩・堆積岩などの)鉱物学の内容を、宮沢賢治作品を引用しながら解説していく読み物です。
中学や高校の地学の授業を思い出しますね。
いつも紹介している本とは違い、完全に「読む」本。写真じゃないです。
かなりのページが宮沢賢治作品の引用なので、画像を見たい方には物足りないかもしれません。
でも、文学作品と実際の地学知識が繋がっていく様子は、とても興味深く、そして「スッキリ」します。
「ああ、この部分はそういう意味なんだ!」となるので、宮沢賢治作品を読んだことがない鉱物マニアの方も、「この夏は賢治だな!」となりますよ。
資格勉強じゃない!楽しく読める鉱物本
ジュエリーコーディネーターの資格を取得するぞ! と宣言してから数日。
年齢を重ねるごとに、文章を読むのが遅くなっていると感じます。
特に、「さあ勉強するぞ!」と意気込むと、遅いのなんの。
日本語なのに、日本語の意味が分からない。
表面的な字面しか追ってないから、一行前に何が書いてあったのかもわからない。
年齢とは、本当に恐ろしいものです。
それに比べて。
宮沢賢治の作品と、その解説が並ぶこの本が、何と読みやすいことか。
へぇ!とか、そうなんだ!とか、どんどん読み進めることが出来ます。
最後は、今の私たちも真剣に考えないといけない、「土砂災害」に関する話題。
これから梅雨になって、土砂災害のニュースも増える時期ですが、その前に読むとためになる知識がありました。
もちろん、土砂災害の部分も宮沢賢治作品の引用付きですよ。
つまり、何が言いたいかと言うと。
いつまでも別の本読んでばかりいないで、そろそろJCの勉強に戻ります。
引用されていた宮沢賢治作品一覧
「宮沢賢治と学ぶ宇宙と地球の科学」に引用されていた宮沢賢治作品は、以下の通りです。
- 十力の金剛石
- 楢ノ木大学士の野宿
- 台川
- 虎石の俳句
- イギリス海岸
- 岩手軽便鉄道 七月(ジャズ):詩
- 風の又三郎
- 化物丁場
梅雨時のお供に、宮沢賢治作品で鉱物学を学ぶのは如何でしょうか?
もちろん、こちらもね。
「宮沢賢治と学ぶ宇宙と地球の科学3 岩石と鉱物」
著者:柴山元彦
出版社:創元社