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【ジュエリー本No.11】「ベストジュエリー20」であなたが持っている宝石の色の価値を知る

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今回紹介する本は、ジュエリー写真・宝石写真を見るための本です。

岡本憲将さん監修、宝石の常識シリーズ「ベストジュエリー20」

 

 

この本は、ほぼ全ページにカラー写真が掲載されています。

更には、とても為になる写真がたくさん。

特に色石の価値基準を知るには、打ってつけの一冊と言えます

 

「ベストジュエリー20」は、手元に一冊は用意しておきたい、そんなジュエリー写真本です。

 

 

掲載されているジュエリー写真は決してオシャレじゃない、けど

 

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「ベストジュエリー20」には、オシャレな写真や、見惚れるほど美しい写真が掲載されている、というわけではありません。(失礼)

むしろ、ジュエリーも写真も昭和の香りがします。(重ねて失礼)

 

もちろん、プロによる色石の写真ですので、色の再現力が凄いのは間違いありません。

画像の加工はしてると思いますが、それにしたって綺麗な色の宝石が並んでいる。

ただね、ジュエリーのデザインが古いんです。

例えるなら、

「こういうデザインのジュエリーはもう使わないから、リフォームしたい」

の代表のようなアイテムが並んでるんですよ。

 

そして写真の方も、背景の色、小物の配置が、昔からよく見るジュエリー写真という印象です。

また、一か所に沢山のリングが並んでいるので、まるで業者間で使われる、空枠屋のカタログみたいで。

 

*空枠屋というのは、メインとなる宝石がセットされる前の貴金属枠や、細かい金属パーツを専門に扱う業者さんのことです。

通常多くのジュエリーは、デザイン数豊富な空枠屋でまず貴金属枠を購入し、そこに別途仕入れた宝石をセッティングすることで仕上がります。

 

でも、そんな古臭い印象の写真の中で、絶対に見るべきページが存在します。

ジュエリー写真が気に入らなくても、このページは見て損はない!

というよりも、手元に一冊用意しておくべき!

 

「ベストジュエリー20」には、そんな凄いページが存在するんです。

 

各宝石の価値基準表がカラーで載っている

 

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この本の一番凄い写真、それは、各宝石のカラー見本・価値基準表

各宝石ごとに、事細かく色の違いを紹介してくれています。

この基準表は、とても役に立ちます。

 

例えば、ルビーは赤い宝石ですが、赤と言ってもその色味は千差万別。

紫寄りの赤から、オレンジ寄りの赤、明るい赤、暗い赤、薄い赤、濃い赤など、様々あります。

そんなルビーの中で最も価値が高いといわれているのが、「ピジョンブラッド」と呼ばれる鮮やかな赤色です。

 

……………で。あなたは、ピジョンブラッドの色味、正確に分かりますか?

分からないですよね。

 

色というのは、実物を見て判断するものです。

もっと言うなら、複数の色を見比べて初めて分かる。

暗めの赤鮮やかな赤の違いは、並べてこそわかることです。

 

でも色比べができるほど、多種多様のルビーを所有している人なんて、業者以外にいません。

 

そんな時に役立つのが、「ベストジュエリー20」

各宝石ごとに、Aクラス・Bクラス・Cクラスでランク分け

更に各ランクに振り分けられた宝石を、より細かく点数で評価しています。

また、産地ごとの色の違いや、色評価の理由まで詳細に記載しているので、色石の評価を知るにはうってつけなんです。

 

「ベストジュエリー20」で、あなたの宝石箱にある宝石の色価値を調べてみましょう。

 

色の価値は個人差・地域差も大きい

 

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「ベストジュエリー20」は、確かにそれぞれの宝石の色の価値について知ることができる本です。

ですが、1つ注意したい点もあります。

それは色石の価値基準は、非常に不安定であるということ。

 

明らかに色が薄すぎる場合や、極端に濁った色の場合は、誰もが似たような評価をするでしょう。

ですが例えば、この赤この赤、どちらが美しいですか?

この青この青だったら?

 

どちらがより良い色なのかは、個人の感覚・感性に左右されますよね。

また地域、つまりは国や文化の違いによっても、好まれる色は異なる

色の価値とは、個人差が生まれて当然の世界なんです。

 

そのため、色による色石の価値も一定ではありません。

「ベストジュエリー20」の色の価値基準表は、あくまでも、業者間取引で価値が高いとされる基準です。

あなたの手元にある宝石の価値を、絶対的に決めるものではありません。

 

「ベストジュエリー20」で低評価の色であっても、あなた自身がその宝石を美しいと感じるなら、それは決して価値の低い宝石ではないんですよ。

 

 

宝石の常識シリーズ「ベストジュエリー20」

監修:岡本憲将

発行:株式会社双葉社