本屋は好きですか?
私は大好きです。大型書店なら、立ち読みせずに、1~2時間は滞在できます。
今回紹介する本は、ふらりと立ち寄った本屋で平置きされていた本でした。
「わたしのジュエリー 365日」
あなたのジュエリー365日? しかもInstagramで話題のアカウントの人?
それはとても興味があります。
アラフォー作者のジュエリー語り
「私のジュエリー365日」を一言で表現するなら、
アラフォー、既婚、子供アリ 女子の、大好きなジュエリー語り&ジュエリー購入日記
でした。
本の帯にも書いていましたが、この本は、作者がInstagramに投稿した長文(インスタなのに長文!?)をまとめた一冊のようです。
そのため、ジュエリーコーディネイトについて教えてくれる本でもなければ、ジュエリーの選び方を指南してくれる本でもありません。
純粋に、ジュエリー好きのアラフォー女子のジュエリー語りです。
最近お肌のハリつやが無くなったから、こういうピアスを購入した。
憧れのブランドで長年憧れ続けたジュエリーを、思い切って購入したら、自分には似合わずに困った。
などなど。
紙面の書籍を見ているというよりも、ブログの日記記事を読んでいるような感覚ですね。
作者さんの趣味に共感できる人には面白い一冊
このように見出しを書いたのでお分かりかと思いますが、残念ながら私はこの作者さんには共感できませんでした。
私は、ジュエリーの売り手。
作者さんは、完全な一般消費者さん。
私は、独身。
作者さんは、既婚&子供いる。
私は、(ジュエリーに限らず)ブランド志向やブランドへの憧れは皆無。
作者さんは、欧米ブランド、日本ブランド共に「ブランド」に憧れを持っている(ように見える)。
いろんな面で、すれ違いのある関係(そもそも、ただの読者と作者ですが)であるためか、作者さんの考え方、ジュエリーの選び方、欲するジュエリー、望むコーディネイトが異なっていました。
でも、作者さんと人生のステージが似ていたり、ブランドジュエリーに憧れがあったりすれば、共感出来て面白い内容ですよ。
作者さんと自分が似ていると思うなら、一読の価値ありですよ。
珍しくまじめな書評を語ります
「私のジュエリー365日」は、内容は面白いです。
自分と同じ40代女子が、ジュエリーに対してこんな風に感じているんだ、ということが分かりましたし、純粋に、ジュエリー好きさんのSNSを読んでいるようで、「いいね」ボタンを押したくなりました。
でもね、これは書籍なんですよ。
紙の本。
正直、本としては読みづらいというか、分かりづらいです。
理由は、2つ。
・画像が少ない
・比喩やジョークが良くわからない
画像が少ない
この本の分かりにくい点の1つ目は、写真が少ないこと。
本文中、当たり前のように「ティファニー ソレスト」とか「ヴァンクリのペルレ」と言われても、知らない人は知らないですよね。
というか、各ブランドのシリーズ名だけで該当商品がどれなのか覚えている人はどれくらいいるのだろう?
そういうのが本文中にあちこち出てくるので、マイナーブランドのアイテムの場合などは、読んでもどういうデザインのジュエリーなのか想像がつかないんです。
そもそも、この文章はInstagramに投稿された内容。
投稿時は、各文章の頭に、少なくとも一枚以上の画像があったはずです。
でも書籍になったら、本文に画像はない。
その上、本文中には「ヴァンクリのペルレ」が、どういう特徴のリングなのかの説明もありません。
(文章を書いたのはインスタなのだから、その段階では画像はあったはずなので、特徴を文章で説明する必要はなかったのでしょうね)
なので、ノリノリでジュエリーを購入した喜びを語られても、いまいちシックリ来ないんです。
おいてけぼりに会ったみたい。
画像を入れると、本を作る費用がかさむのは分かります。
でも、インスタの内容の書籍化なら、もうちょっと画像も一緒に載せて欲しかったな。
比喩やジョークが良くわからない
第二は、作者さんがあちこちにオタク(?)ネタを挟み込んでいるのが、分かりづらいことです。
これに関しては、私はおおよそ内容が理解できました。
おそらく、
・30代後半から40代くらいの人で、メジャー処の漫画やJ-popは基本的に知っている人
・上記年代の人で、10代の頃はドラマよりもアニメを中心にテレビを見ていた人
・最近になっても有名な漫画は若い時同様に読み続けている人
こういう内容に当てはまる人なら、内容は分かると思います。
もう少し詳しく書きましょう。
・ワンピース
・名探偵コナン
・スラムダンク
・鬼滅の刃
・呪術廻戦
・サラダ記念日
・髭男
などなど。
こういう作品や登場人物を引用や比喩に使っているので、知らない作品の例えになると「ん?」となってしまいます。
時々分かりにくい用語などが、各章末に注釈がついていますが、何故か一部注釈だけは巻末についている。
いや、注釈つけるなら、どっちかにまとめて欲しいです。
というか、どうせ注釈つけるなら、各ブランドのジュエリー特徴の解説をしっかりと入れて欲しかった。
それに。
分かりにくい比喩の注釈読むのは、滑ったギャグの解説を聞かされているみたいでつらいです。(関西人)
「わたしのジュエリー 365日」でジュエリーオタク仲間を作る
書評で書いた内容に関しては置いておくとして。
今回の本、身近な人の日記を読んでいるような感じがして面白かったです。
同年代、同じジュエリー好きと言えども、こんなにも考え方が違うんだなぁ、と。
同じデザインのジュエリーでも、人によって違う感想を持つことも勉強になりました。
絶対に無理な話ですが、叶う事ならこの作者さんとジュエリーオタクトーク会をしたい。ジュエリーオタク仲間になってみたい。
そんな親近感わく内容の一冊でした。
ジュエリーオタクの皆様。
オタク仲間が欲しいなら、是非一度この作者さんの本をご一読ください。
もちろん、インスタもね。
「わたしのジュエリー 365日」
著者:pepper
出版社:CCCメディアハウス