このブログ、写真の撮り方ブログじゃなかったっけ?
では、前回に引き続き、お酒と真珠の実験結果について見ていきたいと思います。
前回の内容を確認したい方は、こちらの記事をどうぞ。
実験の簡単な概要などを紹介しています。
今回は、各アルコールごとの結果を見ていきます。
赤ワイン×真珠の結果
まず、1つ目のお酒は赤ワイン。
今回の実験を始めるきっかけだったお酒です。
結果から言うと、赤ワインは最終的に真珠が灰色がかった薄紫色になりました。
表面の光沢も落ちましたが、手で触ると「少し引っ掛かりを感じる」程度です。
綺麗な真珠のようなツルツル感はありませんが、ベタベタしてるとか、ざらついていることはないです。
また、色の染まり具合も場所によって差があります。
上の写真、右側の真珠には片穴珠の「穴」がうつっていますよね。
その穴周辺が、少し濃い色で縁取られて見えると思います。
他にもいくつか点々と濃い部分がありますが、それは元々この真珠にあった凹凸部分。
穴周辺や凹凸部は、特に濃く染まったということですね。
穴周辺の濃色部は、もしかすると真珠層の中にまでワインの色が入っているからかもしれません。
想像していた結果と異なる?長村様の赤ワインとの違い
先日の記事でも書きましたが、この実験はジュエリーライターの長村様の実験結果を見て行ったものです。
良くない感想ですが……これはやってみたい!
— ゆき@主に真珠商 (@p_g_pearl) 2023年2月22日
真珠もワインももったいないけど、やってみたい!できれば、白ワインや日本酒とかの反応も見たい!!
お酒×真珠コラボ(違) https://t.co/AnTUE0UB9s
私もこういう劇的な変化が見たかったのですが、私の赤ワイン真珠は思ったよりもフツーな仕上がりですよね。
なぜこうなったのかを、検証してみましょう。
使った赤ワインは赤ワインじゃなかった
まず第一に、私が使用した赤ワインは純粋な赤ワインではなく、メルシャンの赤ワイン。
原材料欄には、濃縮還元ぶどう果汁+赤ワインと書いてありました。
リンク
長村様の実験結果によりますと、赤ワイン真珠から生えてきたのは「酒石酸の結晶」という物質。
ワインを知る人にとっては、一般的な物質だそうです。
酒石は酸味のある高品質なワインにできるので、ヨーロッパではワインのダイヤモンドなんて素敵な名前で呼ばれているんですって。
~長村様HPより引用~
メルシャンの赤ワインにはブドウ果汁が含まれていたので、酒石酸の結晶が出来なかったのでしょうか?
実は酒石酸結晶が生まれる兆しはあった
赤ワインじゃないから、酒石酸結晶が生まれなかった?
実は、そう結論付ける訳にもいかない現象が、実験初期に起きていました。
上の写真は、実験開始2日目の赤ワイン真珠の様子です。
最終結果の写真よりも、明らかに濃い赤紫色ですよね。
そして、一週間が経った頃には、このような姿に↓
黒っ!!
そして、表面の状態が!!
(集合体恐怖症の方は、あまり凝視しないでください)
明らかに何かが起こっていますよね。
でもこの濃い色は、ピンセットで掴むと簡単に削れるものだったんです。
ここで私の好奇心がくすぐられました。
もしかして、真珠を拭いたら取れるのかな?
やってみる?(ワクワク)
やってみる?(ワクワク)
ねえ、やってみる??(ワクワク)
ティッシュで拭くと、本当に剥がれました。
その結果、一週間で真っ黒になった真珠は、見事に薄~い灰紫色に。
あれ?これやっちゃダメな奴だった??
実験ダメにしちゃった???
純粋に真珠の変化を確認する
真珠表面をきれいに拭き取った日以降は、表面の付着物ではなく、真珠そのものの変化についてみていくことにしました。
7日目(真珠を拭いた日)
10日目
15日目
20日目
25日目
30日目
時間経過とともに表面の光沢はどんどんなくなっています。
ただ、色は時間が経過してもそこまで濃くはならなかったようです。
(補足)瓶の底に沈んだ何かの結晶
誰かが真珠を拭いてしまったせいで、真珠そのものに酒石酸結晶をはやすことは出来ませんでしたが、実験中、瓶底に酒石酸の結晶っぽいものが出来ていました。
上の写真は、赤ワインの瓶底を撮影したものです。
白丸部分に、何か白いものが沈んでいます。
この白い何かは、実験中徐々に量を増やしていきました。
もしかすると、この沈んだ物質が、酒石酸の結晶なのかもしれません。
酒石酸の結晶。
ちょっと興味が湧いてきました。
赤ワイン×真珠:結論
高品質な真珠も一か月赤ワインに漬けると、色も艶も変化してしまいました。
でも日常で、このような状況になる場面はまずありません。
ですが、赤ワインは真珠表面に付着して層を作ったり、
真珠そのものの色艶を変化させたり、
様々な影響を与えることがわかりました。
もし真珠にワインが付いた場合は、速やかに拭き取って下さい。
どうしても付いたワインが取れない部分があったり、きちんと拭けたか不安な場合は、速やかに購入店に相談をしましょう。
放置、は一番危険ですよ。