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【ジュエリー学No.11-1】高品質な真珠にアルコールが付いたらどうなる?1ヵ月の実験で衝撃の結果が!

真珠は、海中から生まれる宝石ですが、水に弱いという弱点があります。

 

もちろん、真珠は角砂糖ではありませんので、水に触れた部分から一瞬で溶けてゆく訳ではありません。

多少水に濡れても、すぐに乾いた布で拭けば大丈夫。

 

ですが水道水などの水中で長期間保管すると、やがて真珠の輝きは失われます。

…………まあ、多分誰もそんなところに真珠を保管はしないでしょうが。

 

とにかく。

真珠は水や汗に弱い。

特に酸性の水分は大敵。レモンのしぼり汁とか、香水とか、そういうのはダメ。

アルコール消毒液も避けるべき液体の一種です。

 

でもね

実際に水分が付いたまま放置された真珠ってどうなるのか、見てみたくないですか?

 

私は、見たい!!

 

というわけで、今回は真珠を使った実験を行いました。

 

 

実験の話の前にお礼を

 

今回の実験は、ジュエリーライターの長村由起子様(Twitterアカウント:@yukiko_Osamura)が行われた、こちらの実験を私が見たことがきっかけで始まりました。

 

 

この実験を見た時の衝撃!

あまりにも興味深くて、すぐに長村様に連絡をとり、私もワインを使った実験をしたいと申し出ました。

突然な申し出であったにもかかわらず、心よく許可をくださいましたこと、改めてお礼申し上げます。

 

長村様はジュエリー専門のWebライターもされており、運営されているブログでは様々なジュエリー知識を読むことが出来ます。

特に「ジュエリーをなくす前に読んでほしい、出先でのしまい方【リング編】」は、今すぐにでも全ジュエリー好きに読んでもらいたい(切実に)内容ですよ。

 

長村様のブログは、こちらからどうぞ! ↓

japan-jeweler.com

 

実験記録①:使用した真珠とアルコール

 

では本題です。

今回、私は5種類の飲用アルコール類と、消毒用エタノールの中に、一か月間真珠を漬けました。

 

まずは用意したアルコールと使った真珠について、詳しく紹介していきます。

 

高品質な越物真珠を使いました

まず、用意した真珠です。

今から約30年ほど前に浜上げされた、九州産のアコヤ真珠。

しかも、越物真珠

 

越物とは、真珠養殖の期間を表現する用語です。

 

通常、養殖期間が一年未満の真珠を「当年物」と呼びます。

一般流通のほとんどの珠は、この当年物。

 

対して「越物」は、一年以上養殖を行っている真珠のことです。

長期間アコヤ貝の中に入れているため、真珠層が厚くなります。

 

ただし、長期間養殖したからと言っても、全ての珠が上質な珠になるわけではありません。

変形・表面のキメが粗い・巻きはあってもテリはイマイチ、そんな珠になる場合もあります。

 

現に、今回用意した真珠はキズや変形があったため、30年間商品化せずに保管していました。

 

それでも、十分に美しい真珠たちです。

だって、既に陸に揚げてから30年が経過しているんですよ?

なのに、ピカピカでしょう?

 

ん?勿体なかった?

……確かに、そうかもしれない。

 

ちなみに。

今回用意した珠は、全部半径分だけ穴が開いてる「片穴」真珠です。

真珠に穴が開いているかどうかは、実は結構重要ですが、とりあえずここでは「そうなんだ~」程度に考えておいてください。

 

使った液体はどれも過程で使用するアルコール類

続いて、もう一つの主役。

アルコールです。

付箋の下部に書いている四角で囲われた数字は、各お酒のアルコール度数を記入しました。

左から順に、実際の商品を見ていきましょう。

 

赤ワイン(濃縮還元ぶどう果汁+赤ワイン)

 

日本酒

 

黒糖焼酎

 

自家製ザクロ酒(ホワイトリカー+氷砂糖+ザクロの実)

 

ブランデー

 

お察しの通り、台所にあったお酒をかき集めて用意しました。

これらのアルコールを小さなガラス製コルク瓶に入れ、そこに真珠をしずめました。

 

??

消毒用エタノールは?

 

エタノールは諸般の事情により実験3日目くらいに追加したので、上の写真には載っていません。

忘れてたんです、消毒用エタノール用意するの。

 

実験記録②:実験の方法

方法、という程複雑なことは行っていません。

先程のアルコールに真珠を漬け、毎日写真を撮影して経過を観察しました。

 

1つ注意したのは、温度と光の影響を出来るだけ受けない場所を選んだ、ということです。

 

まず、温度に関しては冷暖房などが入っていない比較的涼しい部屋で保管していました。

実際に測ってはいませんが、おおよそ15~20℃を保てていたと思います。

 

次に、光。

紫外線の影響が出ないように、出来るだけ窓辺から離れた場所を選びました。

ついでに、黒色の紙箱に入れて保管していました。

 

実験記録③:とりあえず、結果


30日が経過したら、真珠たちはこうなりました。

どの珠も良い具体に酔っぱらっていますね。へべれけです。

 

上段が実験開始前に撮影した真珠です。

その真珠が、30日後には下段のように変化しました。

(下段の珠が一つ増えているのは、消毒用エタノールに漬けた真珠が増えているからです)

 

左から順に、

  • 赤ワイン
  • 日本酒
  • 黒糖焼酎
  • ザクロ酒
  • ブランデー
  • 消毒用エタノール

 

どの珠も、輝きが落ちてしまいました。

中には、液体の色に染まった真珠もあります。

長村様の実験のようなド派手な変化を遂げたとは言いにくいですが、それぞれ特徴ある変質が起こったのは確かです。

 

<実験で起こった変化>

  • おそらく最も糖分(砂糖)が多く入っていたザクロ酒が、最終的に最も表面が荒れた
  • 消毒用エタノールは実験期間が3日短かったのに、表面の荒れ方はザクロ酒並みだった。
  • 日本酒と焼酎はどちらも透明液なのに、日本酒はほんのりピンクに、焼酎は少し白くなった。(写真では少しわかりづらいですが)
  • ワインとブランデーは液とよく似た色に染まったのに、オレンジピンク色のザクロ酒では染まらなかった
  • 焼酎は一部が全然表面荒れなかった

 

この他にも、30日の間に様々な変化がありました。

ここから先は少し長くなるので、次回以降、各お酒ごとにゆっくり紹介したいと思います。