美しい宝石写真をみつけました。
「価値がわかる 宝石図鑑」
この本はタイトル通り、宝石の価値について言及した本です。
ところがそんな内容よりも、写真に目を奪われる一冊になっています。
まるで写真集を見ているかのよう。
もちろん、出版されている書籍なのだから、写真もプロによる撮影。
ジュエリー写真が美しくて当然です。
けれど、「価値がわかる 宝石図鑑」はそのことを差し置いても、「写真集のよう」に美しいんです。
あなたも、この本を開けば宝石写真の美しさに目を奪われますよ。
とにかくたくさんの写真が掲載されている
「価値がわかる 宝石図鑑」には、とにかく沢山の写真が掲載されています。
めくってもめくっても、宝石写真であふれている。
宝石の解説本である「価値がわかる 宝石図鑑」ですが、写真が多いので、解説もとても分かりやすいです。
たとえば、コランダムという鉱物の色相の解説。
コランダムとは、サファイアやルビーの鉱物名です。
ルビーとサファイアは、元を正せば同じ種類の鉱物。
赤いコランダムはルビーという名の宝石で、赤以外の全ての色のコランダムはサファイアと呼ばれています。
サファイアはブルーが有名ですが、黄色もオレンジも、緑も紫も、更には無色だってあるんです。
と、このように、コランダムの解説は言葉でも可能ですよね。
けれど、この「価値がわかる 宝石図鑑」の中では、コランダムの色紹介は写真を用いて解説されています。
まさに、百聞は一見に如かず。
私が上記で説明した内容より、写真での解説の方がずっとわかりやすいです。
このように、写真が沢山掲載されているので、文字解説よりもずっとわかりやすい内容になっているのです。
とにかく大きな写真が掲載されている
「価値がわかる 宝石図鑑」を本屋で初めて手にしたとき、私は初めの数ページをパラパラめくって内容を確かめました。
その時目に飛び込んできたのは、巻頭にあった「誕生石の旅」という写真だけのページ。
各月の誕生石が、1ページにどでかく掲載されているんです。
アップで撮影された宝石が、148×210mmつまりA5サイズに引き伸ばされているのは、圧巻です。
宝石の色どころか、内部インクルージョンまではっきりと見て取れます。
特に見てもらいたいのが、8月のペリドット。
ペリドットの大きな特徴の一つ「ダブリング」が、見事に映っています。
ダブリングというのは、複屈折性の鉱物にみられる特徴の一つ。
ものすごく簡単に説明すると、「宝石内部がダブって見える」状態のことです。
「価値がわかる 宝石図鑑」のペリドット写真は、石表面は普通なのに、石の中がまるで乱視になったかのようにダブっています。
「価値がわかる 宝石図鑑」では写真が大きく引き伸ばされているから、このような宝石の特徴が誰でも容易に見れるんです。
ダブリングの見本として、丁度良いサンプル写真ですね。
宝石の価値を知るためには良い写真が必要
「価値がわかる 宝石図鑑」は、沢山の写真と大きな写真であふれた一冊です。
けれど、この本が言及している内容は、あくまでも「宝石の価値」。
この本の中では、各宝石を「ジェムクオリティ、ジュエリークオリティ、アクセサリークオリティ」の3つにランク分けしています。
そして、それぞれどんな宝石がどのランクに当てはまるのかを、写真で解説している。
そう、宝石の価値を知るためには、言葉よりも写真が重要なんです。
どんなに言葉を重ねても、たった一枚の素晴らしい写真には及びません。
だからこそ、宝石の価値を語る本には良質な写真が必須なんです。
ところで、この本の作者諏訪恭一さんは、100年以上続く宝石業者の3代目社長(今は会長さん)です。
この本の巻末には、金額別に様々なジュエリーの写真が掲載されているのですが、おそらくこれらは諏訪貿易株式会社さんの商品なんだろうな。
〇億円の商品写真まである、すてきな巻末付録です。
「価値がわかる 宝石図鑑」
著者:諏訪恭一
出版社:ナツメ社