今回撮影した写真は、こちらです。
吊るしたペンダントの写真です。
今回は、前回の写真とは異なり、下に鏡は敷いていません。
吊るしたペンダントを、床面から2~3mm離した位置に配置しました。
実は、このわずか2~3mmが今回のネックです。
ペンダントを少し浮かせることで、ある問題が生じています。
今回は、吊るしたペンダントで起こる、当たり前の問題について考えていきます。
使用した道具は、白箱、卓上照明、卓上鏡、手鏡、ラメ入り色紙、物差し、クリップ
まずは撮影の様子です。
前回と大きな違いはありません。
今回も透明の物差しとクリップで、ペンダントを吊るしました。
背景は、こちらの折り紙を使用しています。
この用紙に限らず、背景の後ろを反り上がらせると、一部光のラインが出てしまいます。
上の写真だと、銀色のラメ折り紙の左側に白い光の筋が出てますよね。
この光の筋は、出ない方がよりシンプルな背景になります。
特に完全な無地背景の場合は、光の筋は悪目立ちしがちです。
そのため光の筋が出来た場合は、照明の位置をずらしたり、背景用紙の反らせ方を変えて、背景の修正をしています。
今回の場合はラメ背景なので、あまり気にせずに撮影しました。
これで準備は完了。
では早速撮影に…………という訳にはいかないのです。
ペンダントは吊るすとバランスが悪い
このペンダントに限らず、ジュエリーとは着用することを目的に作成しています。
当たり前のことです。
つまり、着けたときに美しく見えることが一番重要で、吊るした時に美しくある必要はありません。
そのため、多くの場合、ペンダントは吊るした状態ではバランスが取れないのです。
この写真を見ても分かる通り、わずかですが、ペンダントの下部が左側に傾斜していますよね。
この現象は、チェーンを通すカンの形にも影響を受けます。
カンとは、このようなチェーンを通す部分のことです。
今回撮影したペンダントは、上の写真のようなカンがありません。
代わりに、本体の裏面をチェーンが通るタイプです。
このような形のペンダントは特に、吊るした状態だとバランスが取れず、トップが傾いてしまうのです。
傾くのはペンダントとしては正しい状態
吊るした状態でペンダントが傾くことは、決して悪いことではありません。
むしろ傾いているからこそ、ペンダントトップが安定します。
黒い部分が体です。
ペンダントの傾いている部分が体に押されている状態なので、程よく体に密着しています。
このように「ペンダントの傾き」自体は、決してバランス悪く作られた失敗作という訳ではありません。
でもジュエリー写真の撮影時には、この傾きが問題になります。
傾いた状態ではペンダントが俯いてしまう
ペンダントが傾いたまま正面から撮影すると、ペンダントトップは俯いた状態になります。
俯いたペンダントは、何とも言えない寂しい雰囲気に。
ペンダントが傾いたまま、正面から撮影するとこのような状態になります。
人も物も、俯いたら暗い印象になるのは同じ。
華やかなジュエリーを撮影したいのに、俯き加減で沈んだ印象の写真では台無しですよね。
そこで、傾いたペンダントを撮影する際には、見上げ気味に撮影します。
できるだけ、レンズとペンダントトップが平行になるように。
そうすることで、根暗な写真が華やかなジュエリー写真に変化するのです。
【写真No.25】 エメラルドペンダント 完成
今回は、ペンダントの傾きを気にしながらの撮影でした。
床面からわずかに浮かせるだけで、ペンダントは意外と傾くものです。
このペンダントの場合、比較的傾きは緩やかでした。
そのため、ほんのわずかに撮影角度を変えるだけも十分。
ですが、大きく傾いてしまったペンダントの場合は、カメラの角度だけでは修正できないこともあります。
そのようなペンダントを撮影する際は、浮かせることはあきらめて、そっと床面にペンダントをつけて撮影しています。
ほんのわずかな傾きも、写真にすると目立ちます。
ペンダントを吊るして撮影する際には、ペンダントの傾きにも十分な注意が必要なんですよ。
撮影商品&使用道具
撮影商品
- Pt900 エメラルド&ダイヤモンドペンダント
使用道具
- 白箱
- 卓上照明
- 卓上鏡
- 手鏡
- ラメ入り色紙
- 物差し
- クリップ