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【刻印の世界No.14】打刻する機械を知っていますか?

【刻印の世界】

この話題では、打刻された刻印ばかりに目を向けていました。

でも、実際どのような機械で刻印が打刻されているのか、ご存じの方は少ないです。

 

そこで今回は、私の手元にあるリング用打刻機の一つを紹介したいと思います。

 

紹介する機械はとても古いものであり、少し面倒な打刻機でもあります。

扱いが下手だと、リングを傷つけてしまうことも。

 

そのためこの機械は、余程のことがない限り仕事では使用ません。

自分の持ち物に文字彫りする時だけ、引っ張り出して来ます。

 

そんなあまり日の目を見ない機械ですが、この機械で彫った文字はとてもよい味を出しています。

古い機械だからこそ出せる特別な刻印、その魅力に迫っていきましょう。

 

 

 

株式会社ハープ製 ハープグラフベビー

 

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厳つい道具ですが、これがリング用刻印機「ハープグラフベビー」です。

私が幼いころからある機械ですので、相当の年代物ですね。

 

ちなみに、こちらの刻印機には後継機があり、現在でも購入可能です。

ただし、こちらの製造元の株式会社ハープ様は卸売りのため、一般の方が直接購入することはできません。

全国の彫金道具などを取り扱うお店で、購入が可能なようです。

 

文字彫り①リングをセットする

では早速、指輪の刻印をしていきましょう。

今回使用したのは、私が学生の頃に購入したシルバーリング。

真っ黒に変色しているので、打刻練習用に使用しています。

 

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リングをセットした状態です。

3つの「N」の内側に、リングが見えますか?

3点でしっかりと固定しています。

 

指輪をセットすると、小さな尖った針のような部品が、指輪の内側に来る仕組みになっています。

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赤丸の部分です。

この部品が、実際に刻印を行う針部分になります。

 

なおこの部品は、小さく見えても貴金属に刻印が出来る程の硬さがあります。

だから、下手にリングと針を接触させてはいけません。

簡単に指輪が傷つきます!

 

文字彫り②いざ文字彫り!

 

リングをセットしたら、次は下部のレバーを操作します。

 

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一番下の円盤には、様々な文字が彫られています。

この円盤に刻まれた文字と同じ形の文字が、リングに打刻されます。

 

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文字彫りの仕組みは簡単。

赤丸の箇所にあるペンのような部分が、先ほどのリング内側にセットした小さな針と連動しています。

なので、ペン部分で円盤の溝をなぞると、リング側の小さな針も同じ動きをし、文字彫りが可能となります。

 

文字彫りを行う際に大切なのは、一気になぞること。

ためらったり、引き返したりするのは厳禁!

 

貴金属は、あなたが思うよりもずっと簡単に傷が付きます。

ましてやこの機械は、文字を彫るための道具。

躊躇してしまうと、無関係な部分を傷つけたり、文字が歪んだりします。

 

思い切りよく、覚悟を決めて文字を彫りましょう。

 

手彫り感のある温かい文字彫りが出来る

 

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今回紹介したハープグラフベビーで彫った刻印は、「手書き文字」のように見えます。

下手な人が彫ると、読みづらくなることもあるんです。

 

ですがこの手書き感こそが、ハープグラフベビー最大の魅力。

ジュエリーに、手作りの温かみが生まれます。

 

最近は刻印の方法も多様化し、レーザー刻印という打刻の手段もあります。

レーザーでの刻印は、まるで印刷したかのようなきっちりした仕上がりで、刻印された文字もとても読みやすいです。

 

 

でも、少しくらい癖がある方が、温かみがあると思いませんか?

読みづらく、癖がある。

裏返せば、確かに人の手を感じる仕上がりだということです。

 

きっちりした刻印文字も、悪くはありません。

ただ、時には人の気配を感じる「手書き文字風刻印」も、一興ですよね。