お金をかけずに撮影するジュエリー写真

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【刻印の世界No.9】ジュエリー刻印が示す"意味"を読み取る力をつけよう

 突然ですが、この刻印をご覧ください。

 

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SILVERの刻印ですね。

違和感、ありますか?

それとも何も感じない?

 

このチェーン、シルバーなのに金色をしています。(画像の色は少し悪いですが、実物は金色なんです)

おそらく、シルバーで作ったチェーンに金のメッキをしているのでしょう。

 

このように、刻印とジュエリー本体を見比べることで、打刻されている内容以上の"何か"が分かることがあります。

 

このチェーンの場合、

 

 刻印はSILVER

  +

 ジュエリー本体は金色

  ↓

 メッキされている銀製品

 

つまりSILVERの刻印は、この商品がメッキされていることも併せて伝えていたのです。

 

今回は、このような刻印とジュエリーを見比べることで初めて分かることについて考えてみたいと思います。

 

 

銀色の金属に「925」と打刻されていたら?

 

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少し読み取りにくいですが、これは「925」の刻印です。

前回、数字が3桁程度打刻されていたら、使われている宝石の石目である確率が高いと紹介しました。

 

 

 

ですが、これはもちろん石目の刻印ではありません。

ジュエリーやアクセサリーの刻印で、「925」といえばアレです。

 

jewelry-foto.hatenablog.com

 

そう。スターリングシルバー。

 

もちろん、「925」が石目である可能性もあります。

ですが、この金属の色味や重さは、プラチナやホワイトゴールドとは違う

更に「925」で表されるようなサイズの宝石も、付いていませんでした。

 

このように、金属の色や重量、宝石の大きさを見れば、この「925」が意味するものは、自ずと知れてくるのです。

 

銀色の金属に「750」の刻印の意味は?

 

こちらも同じく3桁の数字刻印ですが、何を意味しているのか分かりますか?

 

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銀色の金属に、「750」の文字

これも、先ほどの「925」と同じく、チェーンに打刻されていた刻印です。

 

<補足説明>

貴金属チェーンは多くの場合、K18もしくはPt850が使用されます。

K18やPt850の純度は、チェーン作成に適した純度だからです。

 

…………ということを踏まえて考えると、この刻印はK18の千分率表記だと考えられますよね。

 

わざわざ「WG」とは刻印していませんが、K18で銀色なのだから、ホワイトゴールドで間違いないでしょう。

 

金色の金属に「WG」の刻印がある意味

 

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今度の刻印は、金色なのに「K18WG」

おかしいですよね。どう見てもホワイトゴールドじゃない。

 

こういう場合、このジュエリーのどこか別の場所で、ホワイトゴールドが使用されていると考えられます。

 

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正面からの写真を見ると、わかりやすいですね。

中央下、ダイヤモンドを囲んでいる部分が、銀色の金属です。

刻印はこの場所を指しているのですね。

 

本来、刻印は「該当する金属の場所に打刻するのが望ましい」とされています。

ですがこのペンダントのように、該当箇所に打刻スペースがない場合は、金色部分に「WG」と打刻するしかありません。

 

逆に言うと、「WG」と打刻されているということは、どこかにホワイトゴールドが使われているということです。

金一色にみえても、よく見ると銀色の部分がある。

ゴールドジュエリーに「WG」と打刻されていた場合は、銀色部分を探してみてください。

 

銀色一色のジュエリーにK18の刻印

 

残念ながら刻印写真はないのですが、あるジュエリーにこのような刻印がありました。

 

  • Pt900/K18

 

通常、このような刻印が打刻されるのは、銀色部分と金色部分が組み合わさったジュエリー(そのようなジュエリーを、コンビジュエリーと言います)です。

 

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例えば、こういうジュエリーのことです↑

 

Pt900は、銀色の金属。

K18は、金色もしくは銀色(ホワイトゴールド)の可能性がありますよね。

でも、コンビジュエリーの場合、K18が示すのがホワイトゴールドである可能性は限りなく低いです。

銀色一色のジュエリーを作るために、わざわざ別の金属を並べる意味はありませんよね。

 

ところが、この刻印があったジュエリー、なんと銀色一色なんです。

どんなに探しても、金色部分がない。

Pt900とK18WGを、コンビジュエリーにした珍しいジュエリー?

 

いいえ、そうではありません。

 

こちらのジュエリー、元々はコンビジュエリーだったものが、何らかの理由により表面をロジウムメッキしたものだったのです。

ロジウムメッキとは、プラチナの表面に行われるメッキであり、つまりは銀色になるメッキ

 

コンビジュエリーに何故このようなメッキがされていたのか、その理由まではわかりませんでした。

でも、刻印は正しいことを書いていた。

銀色一色のこのジュエリーは、確かにPt900とK18で出来たジュエリーなんです。

 

ジュエリー刻印が示す意味を読み解くのが、刻印を読むということ

 

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ジュエリーの刻印を読むときは、ただ字面だけ追っていても意味がありません

打刻された刻印の意味を考え、ジュエリー本体と見比べて、そのジュエリーが”何者”であるのか読み解くことが重要です。

 

時には、刻印の情報が嘘であったり、刻印の内容が間違っている場合もあります。

そんな場合も、ジュエリーと刻印を見比べて、刻印の嘘や間違いを見抜かなくてはいけません。

 

今回紹介した刻印は、どれも初歩中の初歩、この程度は気づいて当たり前の内容です。

中にはもっと複雑で、厄介な刻印もある。

そんな難題に巡り合った時も、刻印を見て、ジュエリーを見て、その意味を考える。

 

刻印は、ジュエリーの本質を読み解くための大切なツールなんですよ。