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【刻印の世界No.8】数字の刻印はセッティングされた宝石の重さ

ジュエリーに打刻されている刻印で、最もよく見かけるのは金属の種類を打刻したものです。

プラチナなのか、金なのか、それともメッキのジュエリーか。

 

これらの貴金属刻印の見分け方については、先日ご紹介いたしました。

 

jewelry-foto.hatenablog.com

 

jewelry-foto.hatenablog.com

 

この貴金属などに関する刻印以外に、よく目にする刻印があります。

それは、ジュエリーに使用されている宝石の質量(=石目)を表す刻印

 

今回は数字の羅列にしか見えない石目の刻印について、紹介していきます。

 

 

宝石の重さに関する基本

 

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宝石がセッティングされているジュエリーでは、多くの場合、宝石の質量が刻印されています。

この宝石の質量のことを石目(いしめ)と呼び、一部の宝石を除いて、ct(キャラット)という単位で表現されます。

  • 1ct=0.2g

 

昔、まだ重さを測る技術が発達していなかった頃、宝石の取引は「キャロブ豆」(イナゴマメ)という豆を使用して行われていました。

そのキャロブ豆1粒の重さが、約0.2g。

そのため、後世になって1ctは0.2gと定められたのです。

 

ちなみに。

キャラット」と「カラット」。

これは単に英語をカタカナ表記にした際の差なので、どっちでも正解です。

 

ただ、カラットだと金の純度を示す「K」(=karat)と混同するので、私はct=キャラットと呼んでいます。

……K18の「K」って、「きん」の頭文字じゃなくて、「karat」の頭文字なんですよ。

 

ほとんど全ての宝石がctの単位を使用する

宝石は、基本的にctという単位を使用します。

ダイヤモンド、ルビー、エメラルド、トルマリンやオパール。どの宝石も「ct」です。

 

中でもダイヤモンドの場合は、小数点第三位までの表示が基本

つまり、0.001ct=0.0002gまで測っているんですよ。

他の宝石も、大体は小数点第二位もしくは第三位まで表示されます。

 

いずれにせよ、細かい世界の話ですね。

 

真珠・サンゴは単位が異なる

 

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「ほとんどの宝石」に含まれないものの代表が、真珠

こちらの単位は世界共通で、「」(もんめ)。ちなみに英語表記は「momme」(momと略します)

もちろん日本語の、あの「匁」ですよ。

 

日本固有の単位が世界基準になったのは、真珠の主な産地が日本であることに関係しています。

 

養殖真珠は、多くの人が知るように、日本の発明品。つまり、日本で生まれた宝石です。

そのため、真珠の加工技術に関しても、日本が世界最高峰と言われています。

今でも世界の真珠の約7割が、まずは神戸に運ばれ加工・選別し、そこから再び世界中に流通していくという流れがあるほど。

ほとんどの真珠が日本を介する取引だから、重さの単位も日本の単位が採用されているんです。

 

またサンゴも、匁表記をする宝石の一つ。

高知県土佐沖では、サンゴの最高品質と言われる「血赤サンゴ」が採れます。

高品質な日本産サンゴの価値を高めるためにも、質量表記は日本の単位「匁」を採用しているようです。

 

ちなみに、匁をグラムに換算すると、

 

  • 1匁=3.75g

 

また真珠は重い宝石なので、取引の場では匁の上の単位である「」も使用します。

 

  • 1貫=1000匁=3750g

 

ctの世界ではありえない程の重さですね。

でも、真珠の養殖や入札の場では、普通に使用される単位なんですよ。

 

刻印されているのはctの重さ

 

ジュエリーに打刻されている数字の羅列、それは多くの場合使用されている宝石の石目です。(匁が打刻されることは、まずありません)

またほとんどの場合「ct」が省略されているので、数字だけが並んでいるように見えます。

 

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この写真の下部分、「0.01」と「0.80」という刻印がありますよね。

どちらもダイヤモンドの石目で、ctが省略されています。

 

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このペンダントには「27」と打刻されています。

スペースが小さいので「0.」という部分まで省略されていますが、「0.27ct」の略ですね。

 

刻印で2~3桁の数字が並んでいれば、使われている宝石の重さと考えて良いです。

小数点が入っていれば、確実に石目の刻印です。

 

「メインの宝石の石目」と「周囲に入っている宝石の石目」は別に打刻する

一石の宝石のみで出来ているジュエリーの場合、石目の刻印は1つだけです。

ところが多くのジュエリーは、複数の宝石が入っていますよね。

そんな場合は、メインとなる宝石の石目と、それ以外の宝石(脇石と言います)の石目は、別々に刻印します。

また、脇石は個々の石目ではなく、総重量で表記をするのが一般的です。

 

ただし、総重量にしてよいのは、同じ種類の宝石のみ。

周囲に沢山の種類の脇石が入っているジュエリーの場合は、それぞれの宝石の総重量を個別に打刻しなくてはいけません。

 

また、たとえ同じ種類の宝石であっても、メインとなる石と脇石は別々に打刻するのが基本です。

 

たとえば、メインの宝石がダイヤモンドのジュエリーの場合、

 

  • 脇石がにダイヤモンドのみ=メインと脇石の石目を別に打刻する
  • 脇石がダイヤモンドとルビー=メインの刻印、ダイヤ・ルビーそれぞれの総重量の刻印、計3つを打刻する

 

ただし、打刻スペースの問題もあるので、メインとなる宝石の刻印しかないジュエリーもあります。

ややこしいですよね。

 

親切なジュエリーは宝石の種類も打刻されている

複数種類の宝石を使用したジュエリーの場合、石目だけを打刻すると、どの宝石の石目であるのか分かりにくいです。

そんな時は宝石名を一緒に打刻して、どちらの数字がどの宝石を指しているのかを明確にしています。

 

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このジュエリーには、質量表記の前に「R」「D」の文字が打刻されています。

Rはルビーのことを、Dはダイヤモンドのことを指しています。

 

 

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こちらのジュエリーは、エメラルドの周りをダイヤモンドが囲んでいるデザイン。

刻印は「E0.678」と「0.705」の2つが、打刻されていました。

両者の重さが近いので、区別するためにもエメラルドのEを打刻していますね。

 

これら宝石の種類を表す刻印は、天然石にしか使用してはいけません

つまり、写真のジュエリーのように「R」「D」「E」と刻印されていれば、そのジュエリーは天然の宝石が使用されている、という意味も持っているのです。

ただし、制作者側が打刻に関するルールに従っていた場合は、ですけどね。

 

どんな世界にだって騙そうとする人はいるし、ルールに疎い人だっているんです。残念ですが。

 

石目の刻印を見れば使われている宝石の情報が分かる

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消えかけている、D1.00の刻印

 

石目の刻印と一言に言っても、様々なルールがあります。

 

  • 単位はctであるが、ほとんどの場合数字だけが刻印されている。(0.80ct → 0.80)
  • 打刻スペースの都合で、数字部分まで省略されることもある。(0.27ct → 27)
  • メインとなる宝石と脇石は、(たとえ同じ種類の宝石でも)別々に打刻する。脇石は基本的に総重量で表す。
  • 脇石が複数種類ある場合は、石の種類ごとに個別表記する。
  • 宝石の名前を示す文字が打刻されている場合もある。
  • 宝石名を打刻する場合は、天然石でないといけない。

 

色々と決まりはありますが、基本的に3桁程度の数字刻印があれば、それは石目を表していると考えて良いです。

 

手元のジュエリーの石目刻印を見て、あなたのジュエリーの宝石質量を調べてみましょう。