お金をかけずに撮影するジュエリー写真

家にあるモノを駆使して美しい写真を撮影しよう!

当ブログはプロモーションが含まれています

【刻印の世界No.2】銀色の金属に関する刻印

銀の色味を持つ金属でできたジュエリー、といっても様々な種類があります。

例えば、プラチナやホワイトゴールド。

同じ金属でも純度の違いによる刻印の文字の差があったり、メッキを表す刻印が入っていたり。

 

あなたの手元のジュエリーには、どんな刻印が彫られているでしょうか?

 

 

プラチナに関する刻印たち

 

f:id:himmelan:20210504151024j:plain

 

上記の写真は、一般的なプラチナの刻印です。

リングの内側に彫られていますね。

 

真ん中の「0」がポイントです。

文字の一部がちょっと欠けているところに、打刻の具合が見えてイイですね

完璧なのも素晴らしいですが、不十分なところにも美を感じる(笑)

 

では、プラチナの刻印の詳細を、紐解いてみましょう。

 

「Pt」とは「platinum」の略語

Ptの後ろについている数字は、プラチナの純度を千分率(1/1000)で表したものです。

このリングであれば、900‰(パーミル)=90%がプラチナという金属で出来ている、という意味になります。

 

プラチナリングの刻印には、この他にも、

  • Pt999
  • Pt950
  • Pt850
  • Pt
  • Pm
  • PM

等があります。

 

Pmって何?

 

f:id:himmelan:20210504215330j:plain

 

Pm(PM)とは、プラチナの古い表記方法です。

上の写真はチェーンの刻印です。

平たい部分にPm850が見えます。

 

このようにプラチナの純度まで記載されている場合もあれば、単にPmとだけ記載されている場合もあります。

古い商品が多いので、Pt表記のプラチナよりも純度が低いことが多いですね。

 

先代から受け継いだジュエリー、形見の品などに見られる刻印です。

 

Pt1000ってないの?

 

現在、Ptの最高純度を示す刻印は、「Pt999」です。

 最高純度は、Pt1000ではありません

あと0.1%でPt1000になるのにね。

 

業界のルールでは、Pt1000の表記は適正ではないとされています。

純粋なプラチナはジュエリー加工に適さず、必ずと言っていい程、合金にします

更に言うと、化学的に見て、本当の意味で純粋なプラチナは理論上存在しません

だから、Pt1000と表記されているプラチナにも、実際にはごくわずかに不純物が混ざっているんですよね。

 

でも実は、「Pt1000」と刻印されたジュエリーはあります

  f:id:himmelan:20210504215141j:plain

 

例えば、この写真の商品は私の指輪ですが、刻印はPt1000です。

 

貴金属の表記で、「Pt1000は良くない」と決められたのは、何十年も前の話ではありません。

 

社団法人日本ジュエリー協会(JJA)が発行している、平成20年改訂版の「ジュエリー及び貴金属製品の素材等の表示規定」によると、

ジュエリー用貴金属の不純物を含まないという意味の1000表示は、慣例的に用いられているが、ISOやJIS基準及び化学的には適正な表示ではない。

とあります。

そして平成29年の改訂版では、

貴金属には1000表示は、用いてはならない。

とより禁止に近い文言に改訂されています。

(参考:社団法人日本ジュエリー協会

 

ですが、ジュエリーはちょっとやそっとで腐る商品ではないので、10年20年は新品として活躍します。

そんなわけで今でもPt1000の刻印が入ったジュエリーは販売されていますし、探せば結構見つかります。

 

プラチナの刻印たち

 

f:id:himmelan:20210504222936j:plain

 

Pt950の刻印

 

この写真のように鮮明だといいですが、たまに950の「5」がつぶれて「0」に見えることがあります。

「Pt950なのか、Pt900なのか…………う~ん? どっち?」ってなります。

 

結構困ります。

 

f:id:himmelan:20210504223304j:plain

 

これは、Pt900の刻印が指輪の内側の、より目立たない場所に刻印されている指輪です。

指輪の内側なので、着用したら100%見えません。

なのに更に目立ちにくい場所に打刻

この心意気が好きです。

 

でも、くぼみ部分は指輪の汚れが溜まりやすい箇所。

長年使用していると、刻印が埋まっちゃったり…………

するとまた、「これは何と刻印されているのだろう」と首をひねることになります。

 

結構困ります。

 

ホワイトゴールドに関する刻印たち

 

f:id:himmelan:20210504151310j:plain

 

ホワイトゴールドとは、合金にすることによって、(金色である)金を銀色に変えた金属のことです。

上の刻印は、母から譲り受けた古い指輪の刻印です。

古いリングなので、少し刻印が読みにくくなっていますね

 

ホワイトゴールドにも、いろいろな刻印があります。

ホワイトゴールドの略語「WG」が記載されている場合が多いです。

省略されて、単に金の純度だけが記載される場合もあります。

 

ホワイトゴールドの刻印には、

  • K18WG(WG K18)
  • K14WG(WG K14)
  • WG
  • WG 750

などなど、これもいろいろなパターンがあります。

 

Kは金の純度を表す

 

f:id:himmelan:20210504222757j:plain

 

K18やK14は、金の純度を表しています

24金を純金としているので、K18の場合は18/24が金K14の場合は14/24が金であるという意味ですね。

 

欧米では金にも千分率を用いるので、K18は750K14は585、となります。

(千分率表記では「K」は付きません)

ただし日本国内では750以外の刻印は、あまり目にすることはありません。

 

ちなみに、金の場合も1000は用いません

 理由は、プラチナと同じです。

 

ホワイトゴールドの刻印

 

f:id:himmelan:20210504223854j:plain

 

この刻印は、今回紹介する中では唯一、掘り下げていないタイプの刻印です。

浮き上がる形で、K14WGと表記されています

 

最近の商品では少なくなってきましたが、古いジュエリーによく見るタイプの刻印

プラチナだと、「Pm」でこのタイプの刻印をよく見ます

 

別にどっちの刻印が正しいわけじゃなく、ただの刻印方法が違うだけです。

でもね、この四角内の小さな隙間って、結構汚れがびっちり溜まる

それこそ刻印を埋めてしまう程に。

全く文字が見えないこともしばしば。

 

指輪をたくさん使ってもらう程、ジュエリーを愛用してもらう程、埋まってゆく刻印。

宝石商としてはとっても嬉しいことです、本当に。

本当に。

心から、そう思っているんです。

 

でも。

 

 

 

 

 

結構困ります。