今回は、真珠の撮影について考えていきたいと思います。
前回、「真珠は、出来るだけ道具を使わない方が綺麗に撮影できる」と紹介しました。
なんと、ゴールデンウィークの頃に書いた記事です。
ジュエリー写真のブログなのに、ほとんど半年ぶりの写真に関する記事!!
私自身、前回の記事の内容をちょっと忘れてきた(え?)ので、改めて、美しい真珠の撮影方法に関して考えていきたいと思います。
今回考えるのは、「レフ板」についてです。
- 使用した道具は、白画用紙・卓上ライト・鏡・ポリプロピレンの板・アルミトレー・黒画用紙
- 実際の写真たちを比較してみよう
- レフ板無しの場合(&この際だから卓上ライトも消してしまおう!)
- 黒いレフ板は明るさ目的じゃない
- 趣味の写真には正解はない!仕事の写真は実物に近いものを!
- 撮影商品&使用道具
使用した道具は、白画用紙・卓上ライト・鏡・ポリプロピレンの板・アルミトレー・黒画用紙
前回解説した通り、真珠撮影には最小限の道具で撮影するのが良いと思います。
そのため、今回も撮影環境はこんな感じです。
そして今回の本題、「レフ板」です。
様々な記事やカメラの本などを見ると、「写真撮影では必須の道具」みたいに書かれている「レフ板」。
光源の光を反射させて、間接的に被写体を照らすもの………のハズです。
被写体以外にも、背景も明るくなったりするので、私も写真撮影の時に使用します。
当ブログでは(ブログの趣旨に従い)「レフ板」そのものは用意せずに、レフ板に代わるものを使用しています。
たとえば、白い紙や鏡などです。
(鏡にレフ板としての性能があるかどうかは、疑問です………かなりしっかりと光源の光を反射させるので、”間接的”にはなっていないかもしれません)
前回は、真珠撮影ではこのレフ板すらも不要ではないだろうか? という話をしました。
窓の光と照明光だけで十分じゃない? と。
とはいえ、レフ板がないとこんな疑問も生まれます。
- 窓の光はいつも適切に確保できるのか?
- 片側からのみの光源では光量不足では?
そこで、今回は様々なレフ板を使用し、真珠の映り方にどんな差が生まれるのかを比べて見ました。
当然のことですが、当ブログでは市販されている普通のレフ板は使用していません。
手元にあるモノの中から、レフ板になりそうなものをかき集めています。
もしちゃんとレフ板購入したい場合は、例えばこんな感じのブツ撮り用レフ板もありますよ。
レフ板代用品その1・鏡
まず一つ目は、いつも使っている鏡です。
無印で購入しました。
ポリプロピレンの枠に鏡、だけ。装飾は無し。
シンプルなのが良いです。
レフ板代用品その2・白色のポリプロピレン板(鏡の裏)
写真はありませんが、2つ目に選んだのは、ポリプロピレンの板です。
お察しの通り、上の鏡の裏側です。
強い白色ではなく、プラスチックらしい柔らかな白・柔らかな質感の素材です。
真珠の柔らかさを表現するには、レフ板も柔らかいイメージのものの方が良いかな? とか思ったり思わなかったり。
レフ板代用品その3・アルミトレー
3つ目は初登場の、銀色のアルミトレーです。
台所で使用するアレですね。
あと、料理番組でもよく見かけます。ごちゃごちゃした「その他材料」をひとまとめに置くための場所、みたいな。
今回は撮影用に、100均で新しいものを購入しました。我が家にもアルミトレーはあるけれど、もう鏡面じゃなかったので…………(エビフライ、トンカツ。揚げ物作りでは、いつもお世話になっています)
新しいので鏡面反射しています。
この状態だと、鏡とそんな差はないんじゃないかな? とも思います。
もしかすると、我が家のくすんだトレーの方が良かったかも?
レフ板代用品?その4・黒画用紙
最後に用意したのは、黒い画用紙です。
光を反射させる役割はありません。黒なので。
この黒画用紙は、他のレフ板とは少し異なる理由で用意しました。
そもそも、黒色のレフ板というものも、実際に存在します。
”暗く”することで影を強調出来る? 光すぎるのを抑える? そんな役割のレフ板です。
実際の写真たちを比較してみよう
では早速、それぞれのレフ板の効果を比較してみましょう。
まずは、鏡・ポリプロピレン板・アルミトレーです。
(黒画用紙は後ほど)
それぞれの写真の差は如何でしょうか?
今回、撮影時刻の差による室内光量に差が出ないよう、出来るだけ同じタイミングで撮影しています。
レフ板はそれぞれ、真珠の右側(ほぼ同じ位置)に設置しました。
どの珠も、輝き具合に大きな差はありません。
ただ、当然ながら真珠なので映り込みには差が出来ました。
鏡は、やや強い光として映り込んでいます。
ポリプロピレンの板は、白い壁として映っています。
アルミトレーは、鏡よりは弱い光を反射させている様子が映り込んでいます。
(珠の左側にある大きな白い映り込みは、卓上ライトと室内蛍光灯です)
ポリプロピレンの板は、直線的に映り込んでいるので、真珠の丸みが損なわれているようにも思います。
鏡とアルミトレーは、光の強弱の差。どちらが良いだろう………好みによっても分かれるかもしれません。
あなたはどのように感じましたか?
レフ板無しの場合(&この際だから卓上ライトも消してしまおう!)
次の写真は、前回から私が主張する「何も使わない撮影」です。
レフ板を使用せずに、卓上ライトのみで撮影してみました。
やはり、少し明るさは足りないかな?と感じますね。
ただ、映り込みは少なく、スッキリしています。
この際だから、卓上ライトも消してしまいましょう。
(日中/室内灯あり/ルーペを使用した近影)
さすがに、暗すぎますね。
ただ、真珠表面のツルっとした感じは一番出たかな?
また卓上ライトを消すことで、映り込みに関して1つ発見がありました。
卓上ライトを消すと、全体が白くなって、今まで黒かった部分に室内の様子が映っている!!
今回、撮影はどれもほぼ同時刻、同じ環境でおこなっていました。
最後のこの写真だけ、右の方に青白い窓の光が映り込んでいます。(一番強く輝いている部分)
暗い所で写す場合と、明るい所で写す場合。
写真ど素人の私では中々説明が難しいですが。
実際に肉眼で見ていても、両者の差は確認できます。
- 直接照明を当てていない真珠を見る→自分の姿が映る
- 蛍光灯などの下で真珠を見る→自分の姿が消える(薄くなる)
真珠全体の印象も大きく変わるので、一度試すと面白いですよ。
また、この状況ではいつもの黒手袋は逆効果。逆に手が目立ってしまいました。
(黒手袋の効果については、こちらをどうぞ↓)
散々、「真珠撮影には黒手袋!」とか言ってましたが、時と場合によることが分かりました。
臨機応変。
大切な言葉です。
黒いレフ板は明るさ目的じゃない
最後は、黒い画用紙を使った写真です。
撮影風景は、こんな感じです↓
被写体(真珠)をぐるっと囲うように設置しました。
目的は、周囲の光の影響を受けないようにするため。
今回の撮影場所は、写真の向かって右側後方に窓がありました。
そのため、レフ板を使用してもしなくても、必然的に右側からの光は強くなっていました。
出来るだけ窓側の室内灯は消灯して、レースカーテンも閉めて撮影をしていましたが、それでも太陽の光量を完全に遮ることはできません。
そこで、撮影対象をぐるっと黒い紙で囲って日光を遮ってみました。
(←黒画用紙あり/黒画用紙なし→)
暗い部分が、より黒くなりました。
そして、当然ながらその他映り込みもほぼありません。
干渉色も見やすくなっているように思います。
趣味の写真には正解はない!仕事の写真は実物に近いものを!
最後に、今回の写真の比較のため、全ての写真を並べました。
どの真珠も印象が違って見えて面白いですね。
手持ちの真珠を撮影してみたい人は、是非いろいろなものをレフ板にして、どんな差が生まれるか試してみて下さい。
同じ真珠なのに様々な表情を見せてくれます。
ちなみに個人的には、黒画用紙が好みです。
あなたも、ぜひ自分の好みを見つけてください。
また、もしお仕事で真珠を撮影する方がこのブログをご覧になっていたら。
仕事用の写真は、基本的には「現物に近い色・見た目」に撮るのが大前提ですよね。
ネットなどで商品を販売している場合、品物を少しでも良く見せようと様々な工夫をされているかもしれません。
ですが、やはりお客様が実物を手に取れないネットの世界では、画像と現物が乖離しているのは論外。
撮影も加工も、現物と睨めっこしながら、いかに「現物に近く」撮影するかが大切だと思います。
真珠は、レフ板一つでも、これだけ見た目が変わります。
これを画像加工したら益々見た目も変わります。
だからこそ、仕事用画像を撮影する際はレフ板も加工もフル活用して、現物を表現するべきです。
何が言いたいのか。
もっと真珠撮影の練習頑張れ、私!
現場からは、以上になります。
撮影商品&使用道具
撮影商品
- 養殖アコヤ真珠 8.0~8.5mm
撮影道具
- 卓上照明
- 白画用紙
レフ板代用品
- 鏡
- ポリプロピレンの板
- アルミトレー
- 黒画用紙
レフ板には、他にもいろいろな色があるそうです。
色のあるレフ板+真珠………どんな効果があるのか興味が出てきました。