とっても久しぶりに、写真の撮り方のお話ですね。
今回の写真は、以前の記事で使用した写真です。
この写真は、多少トリミングしてますが、大きな写真の一部を切り抜いた画像ではありません。
純粋に、アップで撮影しました。
いわゆる、「ドアップ」写真。
マクロ撮影(接写撮影)しても、中々ここまでのアップ撮影は難しいです。
特に私が使用するような、安価なデジカメでは性能に限界が。
なので、ちょっと工夫してみました。
ちなみに、カメラの専用レンズは使用していません。
カメラの専門道具は使わずに、身の回りのものだけで撮影する。
そう。
カメラの専門道具は、使わないんです。
使用した道具は……宝石用ルーペ!
今回、撮影はいつものように「白画用紙・卓上ライト・鏡」を使いました。
光の当て方など特別な配置はしていません。
なので、いつもの道具の部分は割愛します。
で、本題です。
先程宣言した通り、カメラ用の専門道具は使っていないんです。
カメラ用のは、ね。
接写用のマクロレンズなんて、私は持っていませんので。
だから、身の回りで「マクロレンズ」の代わりになるものを探しました。
すると想像以上に身近に居たんです、代用品が。
宝石用ルーペ!
宝飾業を営む人にとっては、必需品。
1万円以上するものから、数千円で買えるものまで、値段はいろいろです。
私は、Nikon製のものとか、GIAで渡されたものとか、あれこれ買い足していて、今は合計4つほど持っています。
一番よく使うのは、上の写真にあるボロボロな子。
GIA・GGを取得するために通った学校で支給された(購入した)もので、かれこれ1〇年のお付き合いです。
元々は、ルーペに「GIA」って印字されていた気もしますが、全部剥げてしまいました。
この宝石用ルーペを利用して、ドアップ写真を撮影していきます。
宝石用ルーペとは
まずは、宝石用ルーペについて。
宝石鑑別などで使う宝石用ルーペ/ジュエリールーペは、ただの拡大鏡とは少し異なります。
基本的に、倍率は10倍。
三枚のレンズが入った、トリプレットレンズになっています。
これは、色収差・球面収差の補正の為だとかなんとかかんとか。
難しい話は置いておいて。
写真でこのルーペを利用する場合に、注意したいのは「焦点距離」
つまり、ピントが合う場所です。
宝石用ルーペの基本的な焦点距離は、約2cm。
たった、2cmです。
たまに宝石商の人の仕事風景がテレビに映ると、ものすごくルーペを顔に近づけた画が出てきますよね。
目に付きそうなほど近くにルーペを持って、拡大したい宝石もかなり近づけて見てる。
プロっぽく見えるのでカッコいいとか、そんな近くで見るほど目が悪いの?とか、疑問を持つ人もいるかもしれません。
でもね、カッコつけてるわけでも、目が悪いわけでもないんです。
その距離で見ないと、焦点が合わないんです。
宝石用ルーペの使い方を簡単に説明すると、
- 利き手とは逆の手の親指と人差し指でルーペを持つ
- そのまま親指の第一関節を目の下位にぴったり付けて、目の正面にルーペが来るように保持(眼鏡をかけている人は、外した方がいいです。丁度眼鏡のレンズとルーペが接触するので)
- 拡大したいものをピンセットなどでつまみ、ルーペを持っている手の人差し指と中指の間くらいに対象物を持ってくる
つまり、目 ー ルーペ ー 対象物 ←このそれぞれの間隔は、指一本ほどしかありません。
初めて宝石用ルーペを持つ人は、大抵この近さに驚きます。
自分が想像するよりも、もっと顔に近づけて、丁度良いくらいだと思ってください。
余談ですが。
ルーペで宝石を見るときは、両目を開けて見ます。
これは、客前でルーペを使うときいに他の商品の盗難を防ぐためとか言われていますが。
私は、常にウインク状態で仕事したら疲れるから、だと思っています。
宝石商の中には、ほぼ一日中ルーペを覗いて商売している人もいます。
一日中ウインクなんかしてたら、疲れるどころか、顔の筋肉がおかしくなりそうですよね。
宝石用ルーペを撮影に利用する方法
先程のルーペの使い方を、カメラで実践すると上の俯瞰写真の様な状態になります。
上から、真珠→ルーペ→カメラ(目)。
それぞれ指一本分くらいの距離に設置しました。
カメラの前の黒い幕(?)は、真珠撮影に必須のいつものあれです。
↓
カメラは一応接写モードにしています。
上記の状態で撮影すると、こんな感じ。
被写体がかなりアップになっていますよね。
でも、これだとルーペの黒い枠が邪魔で、完成写真を四角く切り抜くことが出来ません。
そこで、次はルーペをカメラレンズにくっつけて撮影。
今度は、ルーペの黒枠が先ほどより広くなりました。
でも、これでもまだ邪魔です。
もう少し白い余白部分を大きくしたい。
ルーペ枠が大きく写るのは、おそらく私のデジカメレンズとルーペの位置がずれているからでしょう。
幾度か調整を繰り返し、出来るだけ被写体とその周辺だけが写真に写るよう、頑張ります。
丁度良い具合の距離は、かなり微妙な差なので、実践あるのみ。
根気よく撮影しまくります。
つまり、いつも通りの「数打ちゃ当たる」精神です。
複数枚撮影し、「やっぱりカメラについてもっとよく勉強した方が良いな」と反省も踏まえつつ、それでもまだ撮影。
何度かこの方法でドアップ写真を撮影していますが、未だに勉強中ですね。
【写真No.33】 真珠ドアップ写真 完成? まだまだ練習が足りない?
この方法で撮影したのは、ほとんどが真珠。
その写真は、それぞれこんな仕上がり具合です。
綺麗に撮れたものもあれば、イマイチなものも。
お気に入りは一番上の写真。
こういう真珠写真が好きです。
上から2枚目は、なんとなくルーペレンズの歪みも感じますね。
チルトシフトっぽい?
個人的には、単純なアップ写真や望遠機能を使うよりも、ルーペを使う方が真珠の美しさが際立つと思っています。
でも、イマイチな写真が出来上がるので、まだ練習が足りないのかもしれませんね。
ルーペで撮影。
皆さんも、どうぞ試してみて下さい。
撮影商品&使用道具
撮影商品
- 真珠
撮影道具
- 宝石用ルーペ
今回の学び
- 数を打っても当たらなかった時は、濃いめのコーヒー飲みながら現実逃避